データ分析とインテリジェンス

安保法案報道における強行採決と憲法違反と民主主義・・・情報の読み方を考えるための具体例(2)

■安保関連報道での2つの疑問

情報の読み方を考える上で具体的な例があった方がやはり分かりやすいので、「安保法案に反対94%」は信じてよいのか・・・情報の読み方を考えるための具体例(1)に続いて、今回も報道から情報を取る際に考えるべきことをテーマにしたい。

さて、今回の安保法案に関する報道であるが、法律の内容以前に、大きな違和感を持つキーワードが3点あった。「強行採決」「憲法違反」「民主主義」である。言葉はよく聞くのだが、記事を読んでもどうもよく理解できない。その理由を考えていたところ、いくらか整理できたのでそれぞれについて疑問点を述べる。

■どうしたら「強行採決」ではなくなるのか

「強行採決」を協調しているのが目についたが、ではどうしたら「強行採決」ではなくなるのかを合わせて報道したケースは知る限り見当たらない。「強行」というのであれば「通常」もあるはずだが、反対派にとって「納得できる採決」とは何なのだろうか。これが提示されない限り、例え「強行採決」であったとしても「自分の意見が通らないから強行と言っている」と言われても仕方がない。

■「憲法違反」ならば自衛隊には反対しないのか

厳密に「憲法違反」ならばどう考えたところで自衛隊は違憲なわけだが、安保法案と併せて「自衛隊も違憲なので即座に解散しろ」と主張している人は聞かない。いるのかもしれないが、少なくとも目立つ報道には出てこない。これでは都合に合わせて「憲法違反」を持ち出しているようにしか見えない。

■「民主主義」って何だっけ?

「民主主義」という言葉もよく見られた。大体は「危機」とか「破壊」というような言葉とセットで。「数の暴力」とか「多数決は万能ではない」といった声もまた多いが、「で、結局どうしたらいいの?」が示されない点では「強行採決」と同じである。代替案ではなく「廃案」であるならば、可決するかしないかのどちらかしかないわけだが、それを「強行採決」を呼ぶのは妥当なのか。

■言葉に踊らされないようにするために

これらを見ると、「何かいろいろ言っているのだけどよくわからない」状態になっている。ここから学ぶべき教訓は、

  • ・言葉の定義を曖昧にすること
  • ・希望が先にあり、理屈を後付けすること
  • ・自分の意に沿っているからと内容を吟味せずに鵜呑みにすること

がいかに危険であるかということだろう。特に最初の「言葉の定義を曖昧にすること」は重要で、ここで認識がずれているといくら時間をかけたところで話がかみ合わないし理解もできない。記事を読む際には、言葉の使われ方が自分の理解と合っているのかを注意することがとても重要であることが今回の報道を通してもよくわかる。

そして、言葉に惑わされたり目が曇って読み間違えることはいつでも誰にでも起きる。自分は常に正しいなどと思い込むことほど恐ろしいことは無い。権力を持っていればなおさらである。常に自戒を心掛けたい。

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タグ:情報収集


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