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「安保法反対デモ 「共感せず」50%」は事実だけれども、印象操作に気を付ける・・・情報の読み方を考えるための具体例(3)

■安保法反対デモ 「共感せず」50%。では共感するのはどれぐらい?

今日(2015年9月22日)の産経新聞で気になる記事が出てきた。この記事を見て喜んでいる声が聞こえるが、果たして本当なのかを検証する。

さて、本文には今回の世論調査の結果が書かれている。

国会周辺など各地で行われた安全保障関連法案に反対する集会やデモについて、「共感しない」と答えた人が50・2%で、過半数となった。

ここまでは事実である。が、この後が問題になってくる。

安倍晋三首相を呼び捨てにして「戦争法案反対」「民意を無視」などと一方的に訴える手法は広く受け入れられたとはいえないようだ。

これは産経新聞の見解で「広く受け入れられたとはいえないようだ」とあり、法案賛成派にはこの文章はうけがよかったようだ。しかし、ここで疑問であるのは「残りの49.8%はどこにいった?」である。もしこの残りが全て「共感する」のであればその差はごくわずかであり、「共感せず」が過半数である事実は変わらないにしても「広く受け入れられたとはいえないようだ」と言うのは無理があるだろう。

その答えは実は本文に書いてある。

「共感する」と答えた人(全体の43・1%)。

6.7%足りないがこれは「どちらでもない」などの選択肢があったか未回答だったのかわからないが、ともかくも「共感する」は結構いたようだ。50・2%対43・1%をどう見るかは人によるだろうが、この43・1%という数字が本文をきちんと読まないと見当たらないというのはいただけない。

■都合の悪い情報を隠した印象操作と取られてもおかしくない

本記事ではレポートやニュースで騙す方法とその対策のための基礎知識の個別テクニックにおける「隠ぺい」「事実と推論の混同」「読者への迎合」の疑いがある。「自分にとって都合の悪い結果を隠しているように見える」のが問題であり、これでは主な読者層であろう法案賛成派の気に入る結果を前面に押し出した印象操作であると取られても反論できないだろう。法案反対派や産経新聞が嫌いな人であれば疑いの目を持っているのでおそらく気づくだろうが、結果を「当然」というような捉え方をしている人はおそらく賛成派で、自分に都合のよい部分だけを読み取っている状態になっていると思われる。

■読む際に気を付けるべきこと

どこまで意図的であるかはわからないが、結果としては全文をきちんと読まずに鵜呑みにすると読み間違える。回避するためには結局のところは「自分にとって良い記事は特に疑う」ことの徹底しかないのかもしれない。

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タグ:情報収集 アンケート 世論調査


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