データ分析とインテリジェンス

分析者が自分で情報収集することは当たり前ではない

■今まであまり議論された形跡がないので、やってみる

情報収集というと、大抵の場合は分析担当者自身がが行うことを想定しているだろうが、それは必ずしも正しい選択ではない。いままであまり議論されてきた形跡がないが、意思決定する人と分析する人との役割分担についてすら話題にならないぐらいなのでそれは仕方ない。そこで、分析と情報収集を同じ人が行うメリットとデメリット、理想と現実への対応の順番で考える。

■分析と情報収集を同じ人が行う場合に起きるメリットとデメリット

メリット

分析と情報収集を同じ人が行う場合は、コミュニケーションによるロスが少なくなるために効率が良い。分析のためにどのような情報収集が必要であるかを理解しているということもあるが、それ以上に収集は一度行ったら終わりではなく、分析の途中で情報不足が分かって追加での収集が起きたり、収集の途中で実は収集が不可能、あるいは間に合わないので方針を転換するこということが当たり前に起こるが、この時に対応しやすい。

デメリット

もし分析者が経営者やクライアントの気に入るような分析を提出しようとしたり、結果を誤魔化そうとした場合には分析に都合の良い情報だけを集めて来るということが起きる。これは個人で当てはめてみるとわかりやすいが、自分の気に入る記事を出してくれる新聞やメディアだけを使うようになってしまうのと同じである。これは分析にとっては致命的な失敗に繋がる。

また、コミュニケーションが発生するため、不得意だったり人間関係が悪いと分析に必要な情報が期限までに集まらないということが起きるし、方針展開が起きた際に特に外注だとスケジュールのコントロールが難しい。

■理想的な分析担当者と情報収集担当者の関係

理想としては、情報収集担当は「分析担当者と同じレベルで分析ができ、かつ分析者が経営者やクライアントにおもねったり、自社に都合の良いような解釈をした場合にそれを指摘できる能力と、その能力以上に指摘することができる信頼関係がある人が行う」だろう。しかし、能力は何とかできても特に最後の「指摘することができる信頼関係がある」が難しい。間違いなどを指摘されると人格を否定されたごとく怒りだす人が多い。

■現実的な対応

現実的に考えると、主体が分析担当者、情報収集は自分で行うか、部分的に部下や外注で補う、という形に落ち着くことが多いだろう。自分で行う場合は上記の分析と情報収集を同じ人が行う場合に起きるデメリットに気を付けるのが重要。

誰かに任せる場合は、情報収集に限らず誰かに丸投げするのは論外であるので考えないとして、以下の2点を注意したい。1つは、知識と経験が少ない人に任せる場合には明確な指示を与えるか、決まった情報源からのルーチンワークのみにすることである。これは情報収集ではどのような情報に価値があるかを判断するためには知識と経験、いわゆる土地勘が必要なため、新入社員にとりあえず任せるというような仕事ではないためである。

もう1つは、力関係があるとどうしても分析者の意向に沿うような情報収集を行うことになるため、そうならないように申し渡しておくこと。ただし、言われる側は「そんな事言ってるけど実際に自分の気に食わない情報を上げたら怒るでしょ」と思っているので、本当の信頼関係の構築がされるまでは「明確な指示を与えるか、決まった情報源からのルーチンワークのみ」と手を借りることを中心にして、分析者側で気を付けることにしておいた方が無難。

このエントリーをはてなブックマークに追加

タグ:分析 情報収集 役割分担 データ分析プロセス


最新のブログ記事5件

定期レポートを効率化する
最悪のデータ分析組織とは
「何を知りたいのか」がわからなければデータ分析は始まらない
データ分析で業務委託を使う・外注する方法
データ分析について考えたことのまとめ

ブログトップ > 分析者が自分で情報収集することは当たり前ではない