データ分析とインテリジェンス

最も重要なのは「”英語ができると選択肢が圧倒的に違う”ということ」を知ること

■英語の勉強しておいた方がいいの?

「英語なんて使えて当たり前でしょ、何を馬鹿なこと言っているんだ」という声も聞こえてきそうだが、そういう世界の方がおそらくは特例で、普通(?)に生きているとなかなかそういう事態にならない。

しかし、インターネットの存在が当たり前の人から見れば、今だにTVと新聞だけを頼りにする人を笑うように、英語ができるのが当たり前の人から見れば、英語ができない人は話にならない、という時代がもうすぐ来るかもしれないし、あるいはとっくになっているのかもしれない。

そんなことにも気が付かず今更ながら英語の必要性をひしひしと感じており、反省のために書く。ちなみに書いている本人はほとんど英語ができず、悔い改めてこれからやり直そうとしているぐらいのレベルなので、英語ができるようになるためにどうするかという話題ではない。

■現場でデータ分析を使う程度なら英語は不要

「現場でデータ分析を使う程度」という表現は人によって受け取り方に違いが出るだろうが、「マーケター」とか「リサーチャー」とか、場合に寄りけりだが「アナリスト」まで含めて、データ分析を業務の中で行うような場合。これらは日本語で読める入門書レベルとプラスアルファで実務上はほとんどカバーできるため、データ分析については英語が出来なくてもさほど問題にはならないだろう。

もっとも、「日本語で読める入門書レベルとプラスアルファで」とは書いたが、実際にはそれすらも必要とされない場合の方が遥かに多いのではあるが。

■データサイエンティストの場合は?

有名なデータサイエンティストである尾崎さんが書いたデータサイエンティストというかデータ分析職に就くための最低限のスキル要件とはを参考にすると、この「最低限」のスキル要件に出て来る知識を一通り知るぐらいならば日本語の書籍でもなんとかなるだろう。とはいえここまで必要とされる人であればその先まで進もうとする人も多く、その場合は英語が必要になる。

■英語が必要になるのはどんな場合か

では、どんな場合に英語が必要になるか。具体的には以下のような場合だろう。

  • ・最先端の知識やより広い世界の情報を得たい
  • ・日本であまり人気のない分野の知識を得たい
  • ・オンラインでの教育を受けたい
  • ・世界へ情報発信がしたい

上記の事をしようとすれば英語の壁に割と早い段階でぶつかることになるはず。逆にこれらのことに興味が無ければ、データ分析に関しては英語は不要であろうと思われる。

■最先端の知識やより広い世界の情報が手に入る

ニュースサイトやブログだけに限らず、論文や資料などにより最先端の情報を手に入れることが可能。また、翻訳されて1万円以上で売られている書籍の原書が無料で手に入ることもあり、これだけでも英語ができるかできないかでは大きな差になる。

また、単純に情報量が増えるだけなく、日本の新聞やTVでは得られないより広い世界の情報に触れられるという面も大きい。海外でデータサイエンティストがどのような扱いをされているかや給料はどうかといった情報は日本語ではあまり流れない。

■専門書の翻訳文化の衰退の危険

海外への移動が容易になり、またインターネットを通じて英語に触れることも多くなってきた上に、洋書もamazonで簡単に手に入るようになった。それにより英語の原書を直接読む人が増えてきた感がある。するとこれから何が起きるかと言うと、いままで翻訳されていた専門書を買っていた人は原書を読むため買わなくなり、翻訳本が売れなくなる。売れなければ翻訳される本が減り、英語が読めないと読める本が減っていくので原書が読める人とそうでない人の間での差がますます広がる、という流れになるのではないか、と予想される。

最先端の知識が欲しい場合はどちらにしても英語が必要になるが、それに加えてドキュメンタリーなどが翻訳されなくなるのは痛い。翻訳がされなくなるということは読めなくなるとほぼ同じ意味であるためだ。また、そもそも日本において関心の低いインテリジェンスに至っては今でもあまり翻訳されない状況であり、日本人の情報オンチに益々拍車がかかる。

■高い教育を受けられる

インターネット上での教育コンテンツの多くは英語である。日本語でもないことは無いが、展開が遅い上に数も少なく質も良くない(レベルが低く初心者向け)。統計学や機械学習で探せば英語なら大学レベルの専門的な授業を受けられるが、日本語に限ると「データ分析入門」レベルの授業がほんの少しあるだけだ。比較するのも馬鹿げている程の差があるということを知っているか知らないかで、大きいどころか致命的な差が生まれる。

具体的に例を挙げよう。courseraでStatistics and Data Analysisのカテゴリーを見ると、英語だけで187のコースがある。これとは別に数学のカテゴリーもあるし、coursera以外にも様々なサイトがある。一方、日本語のgaccoの場合、全ての講座から探しても10に満たない。この時点ですでに数倍どころか数十倍の差が生まれている。この事実を知って、日本語だけでも十分だと思えるだろうか?

■情報発信

データ分析への関心は海外の方が遥かに高い(というよりは日本が低すぎるのかもしれない)ので、ともかくも英語によって世界に向けて情報発信した方が読んでもらえる機会も増えるだろう。

■質も量も圧倒的に違う

以上見てきたように、ことデータ分析やインテリジェンス関連について言えば、あらゆる面において英語ができるかできないかで圧倒的に量も質も違うのは間違いない。しかしこの事実はあまり喧伝されていないようだ。英語を使えて当たり前の環境の人に人っては言うまでも無く、そうでない人にはデータ分析があまりにないがしろにされており高いレベルを求められていないから当然と言えば当然なのだろうが、知らされない側にとっては大きな機会の損失である。

■最も重要なのは「”英語ができると選択肢が圧倒的に違う”ということ」を知ること

自分が必要だと思ったら勉強すればいいのでは?と考える人もいるだろう。しかし、データ分析の場合はそもそも使われることすら少ないために自分のレベルが低いかどうかを大抵の場合は知らなくても問題ない。さらに、外から見ればよくわかることでも、内側からだと気が付くのは難しい。従って外から刺激を加えなけれ今の環境が全てだと思い、レベルは低いままで停滞することになる。

最も重要なのは「”英語ができると選択肢が圧倒的に違う”ということ」を知ることであり、教育の中でもっとその事実を知らしめるべきだ。英語が必要であると自覚してからでないと身が入らないのはたしかだからと教えないのではなく、実情を教えた上でやるかやらないかは本人が決めればよい。今のままでは自覚する機会を奪われているのも同然であり、大きな問題があると考える。

■「英語をやっておかなければ損をする」は効かない

英語ができないと損をする、恥をかくという煽り文句はよく見かけるが、生活に直結しない分一時的な効果はあっても長続きしないのでは。それよりも英語ができるとこれだけ得をする、世界が広がるという話の方がモチベーションが続くと思うのだが、いかがだろうか。

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タグ:キャリア 英語 データサイエンティスト データアナリスト


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