データ分析とインテリジェンス

機械学習はアルゴリズムを使ったPDCAである

■分析知識が無い人に機械学習をどう説明するか

機械学習の説明をする際にどうしたらいいか考えていたら、結局のところは(将来はいざしらず)普段行っていることの道具や方法が少し違うだけで本質的には何も変わりがないのでは、という結論になったのでまとめてみました。機械学習というと、なんだかさっぱりわからないから手をださないか、人工知能が何から何までやるので人間は必要なくなる、と両極端になることが多いようですが、そうではなく1つの方法に過ぎないということが伝わればより使われるようになるのではないでしょうか。

次の表は、PDCAと機械学習それぞれについて一般的な流れをまとめたものです。

PDCA 機械学習
P 目的と計画を決める 目的とアルゴリズムを決める
D 施策を実行する プログラムを実行する
C 結果を評価する 誤差を評価する
A 改善する ウェイトを変更する
パラメータをチューニングする

このように、機械学習とはPDCAサイクルの1つの形で、道具が数式とコンピューターとアルゴリズムになったにすぎません。それらに対するアレルギーが強いと何か得体のしれない事をしていると感じる人が多いのですが、それは勘違いであるということがわかると思います。

一般的なビジネスシーンで言われるPDCAとの大きな違いはアルゴリズムさえ決めてしまえばあとはコンピューター任せにできるというところで、ブースティングのようにD→C→Aを高速に回したり、あるいはランダムフォレストなどのバギングのようにDをこちらも大量に行うことで精度を高めたりすることができると言う点でしょう。これは人力ではとてもできないため、機械学習が威力を発揮します。

何が正しいか、あるいは評価するかの基準を決めるPについてはまだ人の介在する余地がありますが、これもいずれ大量のデータから「何が利益に繋がるのか」を学ぶ仕組みもできるのかもしれません。その時はコンピューターだけで完結する世界においては機械学習が使えるかどうかで圧倒的な差が生まれることになるでしょうが、それがいつになるかはわかりません。

■PDCAを回せない企業に機械学習は使えない

機械学習がPDCAである以上、PDCAを回せない企業に機械学習は使えません。なぜならば、PDCAがうまくいかない原因はDばかりでCが行われないかCが行われてもAに繋がらないというのが非常に多いからですが、前者はアルゴリズムで対処できても後者は機械学習でいくら制度の高い結果を出してもAが行われなければ無駄になることにかわりがないからです。ただし例外として、「Aまで全て自動化する場合」、つまり人間の意思決定が介在しない場合は機能する可能性はあります。例えばWebのレコメンドエンジンはその例でしょう。ただしその自動化を導入を決めるのも人である以上、そこをクリアする必要はありますが。

従って機械学習をビジネスに活用するためには

  • 1・普段からPDCAを動かしており、かつ経営者やマネージャー層に機械学習への理解がある企業において実行する
  • 2・実行まで含めて1つのプロジェクトとして動かす

のいずれかである必要があるでしょう。いずれにしてもハードルが高いのですが、あえて選ぶならばまだ2の方が可能性がありそうです。ただし、これを認めてもらうためにはまたコミュニケーションというまた別の問題も発生するのが頭の痛いところです。

■コンピューターもアルゴリズムも道具にすぎない

繰り返しになりますが、結局のところは「目的を決めて、やってみて、ずれを修正し目的に近づける」ということをやっているにすぎず、あとは道具の問題です。道具は使い方を学べば(得手不得手はあるにしても)誰でもそれなりに使うことはできますが、人の意識を変えるのはたやすいことではありません。機械学習の議論は「道具の使い方」に偏りすぎており、それがなかなか一般に浸透しない原因の1つだろうと思いますが改善する見通しはあまりなさそうです。

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タグ:機械学習 PDCA


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