データ分析とインテリジェンス

仕事を早くすることのメリットについて

■仕事が早いと質と量の双方が向上する

いくら生産性を上げよう、効率を高めようと言っても、実際に行動に移す人はまれだ。「仕事が早く終わっても他の仕事が増えるだけでどうせ残業は減らないし給料が増えるわけでもない」などと言う人の大半は実は何もしておらず、単なる言い訳をしているに過ぎない。

言う側も口だけで自分が率先して効率化をすることはないしかといって効率化できた際の見返りを用意するわけでもなく、かくして掛け声と「どうしてできないのか」などというとんちんかんな責任転嫁だけが聞こえてくることになる。だれにとっても得にならないこの不毛なやり取りが今日も全国あちらこちらで繰り広げられていることを考えると何とも言えない気持ちになる。

それはともかく、仕事が早くなるとこんなに良いことがあるのだよと特に新人や若手にどう伝えようか悩んでいたので、思うところを列挙してみた。仕事が早いと質と量の双方が向上するのだが、周りに生産性などこれっぽっちも考えない人達に囲まれているとどんな優秀な人でもそれが当たり前になってしまうので、早いうちに実際に行動で示すことでしか救う方法はない。

■考える時間ができる

何のために仕事を早くするかといえば、まず第一に考える時間を作るためだ。データ分析という知的作業において考える時間を作らないのでは何の価値も生み出せない。それは分析者ではなく単なる作業者である。当然のことながら、仕事が速くなればなるほど考える時間が増え、質を高める(ための試みを行う時間を増やす)ことができる。なので仕事を速くするための努力はいくらしても十分ということはない。

逆に言えば、仕事ができない人というのは総じて簡単なExcel操作にすら時間をかけたり、資料を無駄に作りこんだり、メールの返事が遅かったりする。その結果考える時間が失われて質は低くなり、さらにはいつも納期に追われているのである。

■方向修正ができる

最初の要求をきちっと覚えていて、後日になってもぶれない人(つまり何を知りたいかが明確にできる人)というのはまれだ。日がたてばたつほど聞き直せば違うことを言う人が圧倒的に多い。なので最初に言われたからと何も考えずにその通りにしていると終わった時にはすでに無用の長物になっていたりする。

速いかどうかに関わらず、途中でできるだけ多めのコミュニケーションをとり、常にあるべき方向に向かっているかを確認することは基本であるが、もし途中で方向修正をしようとしても納期に間に合わなければできないこともある。仕事の速さは、次の対応を行う選択の広さに大きな影響を及ぼす。

■間違えた時の対応ができる

誰しも間違えはあるし、その間違えから学ぶことも必要であるが、目の前の仕事でミスが発覚したとしても対応する時間がなければ間違えた個所を放棄するか、納期に間に合わなくなることをぎりぎりで伝える羽目になる。それどころか間違えたことをなんとか誤魔化そうとすることに関係者が知恵を出し合うなどという馬鹿馬鹿しいにも程がある場面になることもまれではない。

もしそこでもう1日、あるいは1時間の余裕があれば、間違えの修正に間に合うかもしれないし、早いうちに謝罪した上で納期の調整に応じてもらえるかもしれない。出鱈目なことをして信用を失うよりは遥かによいはずだ。

■追加ができる・追加オーダーに対応できる

要求通りにアウトプットを出したとしてもそれで終わるのではなく、議論されこのデータも見たい、別の期間と比較してみたい、と追加の要望が出てくるのは自然であるし、それがなければ考えていないのと同じだ。よほど単純な話でない限り、最初から全てお見通しで必要な要求をすべて出せる人など存在しないし、それができるならばそもそも分析など不要だろう。

分析側はそれを見越した上でのスケジュールを立てなければならないのは当然としてもその上でさらに前倒しする努力が必要だ。いくら納期通りに出したとしても、それを使う営業やコンサルタントが予定外のトラブル、上司から差し込まれる仕事、急な病気などに追われ、アウトプットを見るのが遅くなることも予想しておくべき。

後になって追加オーダーが来ても対応できなければ、結局今あるデータで無理やり結論を作り出さなければならなくなる。そこにあるのは、大抵は根拠の乏しい考察と、都合よく装飾された作文にすぎない。

■気持ちに余裕ができる

よほど調子がよく、それ以上に誰にも邪魔されないという幸運に恵まれなければ半日を予定している仕事が半日で終わることはまずない。半日で終わるからと、今日納期の仕事が午後になって入ってきても、時間内に無理やり終わらせるために焦ってミスを繰り返すか、残業でやる気もなく疲れて回らない頭を無理やり使う羽目になるわけだが、どちらにしたところ質の低い仕事でやり過ごすことになる。

無論そのような仕事を作りだす方が悪いし、受けるべきではないのだが、どうしたところでやらなければならない時は出てくる。その時に通常半日かかる仕事が半分の時間でできるのであれば、そこに余裕ができる。納期ぎりぎりでやるのと、気持ちに余裕をもって行うのとでは同じ仕事をするにしてもまったく結果が違うことは言うまでもない。

■仕事がたくさんできる

3倍の早さで仕事ができると3倍の量ができる気がするがそれは誤解で、実際には5倍かそれ以上になる。これは前述しているようにミスや急な方向転換への対応がしやすくなるからで、早さだけでなく効率もよくなるからだ。自分が社長ならたくさん仕事をするもよし、会社員でそんなに働いても得をしないということなら3倍仕事をして給料を上げるよう交渉することもできるし、2倍の仕事をこなして空いた時間をデータの整備や他部署との関係構築など将来への投資に回すこともできる。

■早く帰れる

これも当たり前だが、早く仕事ができれば無用な残業をする必要がかなり減る。早く終わっても早く帰れない、けど給料は上がらないような企業に先はないので、実績を作ってさっさと逃げ出そう。

■仕事が正確なのはそれ以前の問題

言うまでもないが早くても間違いだらけでは意味がないので、まずは正確な仕事を心がける。その上で一度に早くやろうとせずに、Excel・パワポ・分析・コミュニケーションと仕事を細かく分けて、自分の興味があることや取り組みやすいことから始める。意識して行えば1年後には仕事の早さと、同時に質も劇的に変わっているだろう。

具体的な方法についてはまずは業務を効率化して時間を作るために手戻りをなくすのが取り組みやすいだろう。キーボードを打つ速さは10倍にはできないが、手戻りは減らしやすい。

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タグ:仕事 効率化


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