データ分析とインテリジェンス

データ分析で稼ぐ戦略を考える・・・データアナリストの場合

■データアナリストの場合

データ分析で稼ぐ戦略を考える(1)データサイエンティストの場合に続き、データアナリストの場合を考える。データアナリストと言ってもかなり幅広く、データ分析を主な業務(専任とは限らないのでマーケターやディレクターなどを兼ねることもある)としている人全般を指し、営業やプレゼンも行う、統計学などは知っていて入門書レベル、プログラミングも必要最低限といった人達である。

■中途半端なスキルでは生き残れない

データ分析に限らないが、幅は広く知っていても個別のテーマで見れば専門家の足元にも及ばない、というのではデータアナリストとしての生き残りは難しい。高度な専門知識を持っているわけではないので参入障壁が非常に低いため、何かしらのアドバンテージでもなければ後から参入した人に簡単に追いつかれてしまう。極端な例だと、アナリストと言いながら簡単な集計とコメントを書いた報告書を作成しているだけのレベルの人は、1年もたたずに能力のある新卒に追い抜かれるだろう。営業力や経験である程度カバーすることは可能であろうが、長期的に考えると無策でいるわけにはいかない。

■データアナリストの戦略:特定分野に特化する

そこで、専門性のあるデータアナリストとして特定分野に特化する方法が考えられる。例えばマーケティングリサーチャーやWebアナリストあたりがまさにそれだし、マーケティング分析と一言でいってもIDPOS分析と商圏分析では大分話が違う。特化した分野での経験と詳細な知識とであれば参入障壁になりえるし、情報発信してその分野での第一人者として名声を得られれば、執筆やセミナーといった別の方法での稼ぎ口も出てくる。とはいえ他分野の知識が全くないのも視野が狭くなるので、特定分野に特化した企業や部署にいるような場合は特に注意して自分の幅を広げておいた方が好い。

あるいは特定の業種・業界に特化したデータアナリストという方法もある。例えば証券アナリストが該当するだろう。また、特定の国に関する市場調査・リサーチを専門するという方法もある。いずれにしても、まだあまり発展していない分野であれば重要なのはいち早く参入してパイオニアとしての地位を確立すればその後の活動を有利に展開できる。

■マーケティング能力は必須

データサイエンティストであれば高度な専門性を盾に分析に集中することもできるだろうが、データアナリストは分析に基づいて次にどうするかの提案が出来なければならない。そのためにはマーケティングのスキルは必須であろう。とはいえあくまで主軸はデータ分析にあるのでどこまで必要かは状況次第か。

■データ分析プロセスマネジメントとしての可能性

データアナリストからデータ分析プロセスマネジメントを目指す方向はどうか。おそらくデータサイエンティストよりもデータアナリストの方がマネジメント向きな人は多いだろう。が、繰り返し述べているようにそもそもデータ分析の需要が少なくマネジメントが必要なほど人数を揃えている企業は少ないため、需要はほとんど無いと言っても良い。現場で使えるスキルをおざなりにしてまでデータ分析プロセスマネジメントだけを目指すのはリスクが高すぎて危険である。

■目的から実行まで動かせる人

マネジメントとして活動が難しいのであれば、分析者とプロセスマネジメントを兼ねてみるのはどうか。つまり、データ分析プロセスの全体像「インテリジェンスサイクル」とはでいう最初の「目的の決定」から最後の「消費」「フィードバック」まですべて自分で動かしてしまう。これならば1人でも動けるし、データ分析が使われないということも無くなり実績が出しやすい。始めるにあたり上層部の後ろ盾がないと厳しいが、挑戦してみる価値はある。ここまで来るとプロセスマネジメントの方が主軸になってデータアナリストと呼ぶべきか検討の必要はあるが。

この場合、分析に対しても様々な問題対応できるだけの知識が要求されるだけではなく、データをさばくエンジニアリング、様々な人とのコミュニケーション能力、企画力、プレゼン能力、マネジメント能力、もちろんビジネス理解とかなり広い範囲な能力が要求されることになるので、この方向を目指すのであれば早めに準備をしておいた方が好い。

■分析のできる○○として活動する

このブログで何度も取り上げているように、そもそもデータ分析を基にした意思決定を行う文化が弱い日本ではデータ分析を主業務として活動するのは難しい。これはデータサイエンティストはもちろんデータアナリストのレベルでも同様である。データアナリストはデータサイエンティストよりは大分ましではあるとはいえ、やはり他の職種に比べれば遥かに不利な条件であることは変わらない。したがって、データアナリストになる、今後続けていくという以外の選択肢を常に考えておいた方がよいだろう。

データ分析を使って稼ぐという意味では、データアナリストではなく「データ分析のできるマーケター」「データ分析のできるエンジニア」の方が遥かに稼げる。違いはどちらに主軸があるかで、後者は通常のマーケター・エンジニアの業務の一部にデータ分析を取り込むぐらいのイメージ。したがってアナリストというよりはアナリストを使う側になることの方が多いだろう。これなら従来のマーケターやエンジニアとはかなりの差別化ができる。

■データ分析で稼ぐ

以上、データ分析で稼ぐ方法について考察したが、やはり結論としては残念ながら「稼ぎたいならデータサイエンティスト・データアナリストはやめておいた方がよい」である。データ分析を使うならばコンサルタント・マーケター・エンジニアとして差別化の道具に使う方が遥かに高給を得ることができる。一方でデータサイエンティストやましてやデータアナリストで1,000万円以上稼いでいる人など皆無に近い。そもそもチャンスが無いに等しいのだから。

■外国脱出は?

今回の考察では日本におけるデータサイエンティスト・データアナリストについて主に行っていたが、外国で就職した場合はどうなのかについてはあまり事情を知らないので記述していない。日本より大分報酬がいいとか、生活費も高いからさほど変わらないとかいろいろ話はあるようだが、実態が良くわからないので見送った。ただし、確実に言えることはデータ分析に対する意識は遥かに高い(というか日本が低すぎる)ので、日本にいるよりは遥かに活躍できるだろうことは言っておく。

次回はデータ分析をビジネスにする企業の戦略について考察する。

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タグ:データアナリスト キャリア


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