データ分析とインテリジェンス

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データ分析で稼ぐ戦略を考える・・・データ分析の文化を広めることは可能か

■アメリカで寿司が売れないのは寿司職人のせいか

数十年前のアメリカで日本の寿司を何のアレンジも無し売ろうとしたところで売れなかった。これは職人の腕ではく、どんな一流の職人でも難しい。なぜならば、寿司を食べる文化が無かったからである。同様に、現在の日本においてデータ分析が受け入れられないのは、大半の場合データサイエンティスト・データアナリストといった分析する側の問題ではない。いままでその文化が無かったのだから、どれだけ質の高い結果を持って行っても受け入られるのは簡単ではないし、そもそも質の良し悪しの問題ですらない。

データ分析の失敗の責任は経営者・マネージャーにあるでは、「やってみたけど失敗した」場合について書いてはいるが、それ以前の問題としてデータ分析を使ってみるという話にすらならないことの方が多く、それはこの文化が存在しないことに起因している。では、いったいどうしたらよいのだろうか。

味がわからない相手に売り込む必要はないという考えもあり、それはそれで構わないと思うが、その場合、競合にその場所を取られるだけな上に、食べ物程度であれば無くてもさほど困らないが、データ分析は行わなければ確実に致命的な遅れを引き起こす。

■相手の文化に合わせることで受け入れられやすくする

寿司の場合はカリフォルニアロールのように、のりを内側に巻いたり味の濃いソースをかけるなど、食べる側の文化に合わせた形で提供することで、受け入れられやすくするという方法を取った。そういえば、豆腐を売ろうとした際もシェイクにしたりして悪戦苦闘している話が豆腐バカ 世界に挑み続けた20年に書いてあるが、新しい文化を浸透させることがいかに難しいかということの証左であろう。

それでも食物や道具であれば、実物を見せたり体験させることが出来る分わかりやすいのだが、形の無いデータ分析は実態を見せるということもできず、よりその価値や必要性を伝えるのが難しいと思われる。

とはいえ、文句ばかり言っても仕方がないのでそれでもなんとかできないかを考える。

■データ分析文化を広める方法1・全部取り仕切って圧倒的な結果を見せる

なんとかチャンスを得て圧倒的な結果を見せることでその価値を認識させ、それをきっかけに社内に広めていく・・・と、口で言うのは簡単だが、そもそも何のバックアップも無しにデータの収集から前処理を行い、分析して改善案を考えて、実行までするとなるとそれだけでも大変な労力な上、1度で劇的な改善を生み出すなどというのは現実的でない。かといって、多少の改善程度では「なんだこんなものか」で終わってしまい、後が続かなくなってしまう。多少の改善でも継続して行うことが大切なのではあるが・・・。

したがってこの方法は、1度のチャンスを確実に物にできるという確信が無いと取りづらい。失敗すれば次のチャンスは当面来ない。また、代理店相手ならともかく社内の別の担当者の仕事を改善したらしたで嫉妬や逆恨みに繋がったりすることもあり、やはりリスクが高い。

■データ分析文化を広める方法2・できるだけわかりやすいように説明する

必要性を認識していないのだからなおさら知識の無い人に自ら勉強してもらおうというのはまず無理で、となるとできるだけわかるように説明するということになる。加えて、統計や数式への理解は少ないどころかアレルギーを持っている人が大半なため、いかに文章だけでわかりやすく説明するかが鍵になる。

もっとも、いくら解りやすく説明したところで「面白かった」で終わっては意味がない。その分析を意思決定に使い、実行するところまで行かなければならないがそこまでコントロールするのは難しい。

いずれの方法もまだ決め手とはなりそうもなく、今後も検討が必要だ。

■データ分析文化は必要なのか?

今までなかったのだからデータ分析による意思決定の文化が広まらなくても大丈夫なのではないか?と考える人もいるだろうが、間違いなく損失である。今まで主に日本国内だけで行われてきた中で、まわりもみんなやっていなかったから気にならなかったにすぎない。今後ビジネスのグローバル化がますます進む中で、情報なき意思決定など通用するはずがない。情報を無視して散々な結果になったのは先の大戦を見ればわかる通り。

■データ分析の前に必要な戦略的思考

いくらデータ分析といったところで所詮は意思決定のための道具であり、戦略的思考無しには意思決定の必要もない。なので結局のところはデータ分析の文化を広めるためにはまず戦略的思考の必要性が認識されなければならないのだが、それはまた別の機会に。

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タグ:経営者・マネージャー向け 戦略 文化


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