データ分析とインテリジェンス

一流のアナリストとは(前編)

■一流のアナリストになる道は長く険しい

アナリストとしてどうあるべきか考え始めて10年経ってもまだ明確になっているわけではないのだが、いい機会なのでこうでありたいと今のところ考えていることをまとめてみる。ちなみに順番は重要度を意味しているわけではない。

ここで言うアナリストは、分析者でもデータサイエンティストでもリサーチャーでもよく、つまりは情報を分析し、意思決定のためのインテリジェンスを作る人を指す。

なお、インテリジェンスとは「収集・分析され作り出された意思決定のための情報」のことであり、なじみがなければ「分析」とか「分析レポート」と置き換えてもとりあえず差し支えない。インテリジェンスについては別の機会に説明する。

■1.インテリジェンスは無視されるものであると覚悟する

どんなに素晴らしいインテリジェンスを作りだしたところで、無理されてしまえばそれで終わりである。しかし、家臣や部下の提言を受け入れて成功した例よりも、インテリジェンスを無視して失敗した君主や経営者の例の方が古今東西はるかに多い。つまり、インテリジェンスとはそもそも無視されるものである。

もしも提言がいつも受け入れられ、喝采を浴びることを夢見ているならば今すぐに考えを改めるべきだ。そのような時代は永遠にやってくることはないであろう。その現実に耐える覚悟が持てないのであれば、アナリストではなく別の道を探すべきだ。

■2.客観性を失ったアナリストに価値はない

人は自分の都合の良い情報を好む。上司やクライアントに媚びたり阿ったインテリジェンスを自ら進んで提出するのはアナリストとしての自殺行為である。また、自らが望む方向へ意思決定者を導こうとしてインテリジェンスを捻じ曲げることも同様に行ってはいけない。自分を徹底的に排除することは、アナリストとしての大切な能力である。

■3.直言を恐れない

君主に直言して命まで失った例は情報が無視される例に並んで数多い。しかし現代のビジネスにおいてはせいぜい異動になるか悪くてもクビになるぐらいで命まで取られることはない。命を賭して直言してきた人に比べれば遥かに安全で恵まれた環境で、罰を恐れて口を閉ざす必要もないだろう。

■4.知らないことを知らないという

馬鹿とか無知とか思われたくないという理由で、あるいは自分を有能に見せたいがために知らないことをあたかも知っているようなふりをする人も多いが、見る人が見ればすぐにばれるものだ。だからこそ、その場を誤魔化すのではなく知らないことは知らないと言える知的正直さを持ちたい。ただし知らないと言うだけではなく、「今は知らなくても、これから学ぶ」ことが重要である。

■5.時期を逃したインテリジェンスは無意味

どんなに正確な分析ができたところで、事が起きた後では無意味になる。特に良くない話は何を差し置いてでもすぐに伝えるべきだ。ましてや数字をいじって都合よく捻じ曲げるために時間を引き延ばすなど、論外である。

思ったよりも長くなったので一流のアナリストとは(後編)に続く

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