データ分析とインテリジェンス

データ分析はインハウスであるべき

■データ分析はインハウスが基本。外注するのはあくまでも一時的であるべき。

データ分析を「分析」だけととらえるか、一連のプロセスであると捉えるかで見方が大分変わると思われるが、「分析」だけであれば確かに外注を使ってもさほど問題ないだろう。しかしプロセスとして捉えるのであれば、できる限りインハウスで行うのが望ましいということについて、インハウスであるべき理由と、外注を使う場合の方法について考察である。

■インハウスであるべき理由1・ノウハウの形成と人材育成

データ分析に限らずだが、外に任せるということはそのノウハウが残らず人が育たない。ずっと高コストな上にいついなくなるかわからない外注を使い続けるぐらいならば、その分で優秀な人を探した方が良い。あまり外注に頼ることが常態化すると変えるに変えられず、人件費がかさむ上に社員が育たずさらに外注に依存する悪循環に陥りかねない。

■インハウスであるべき理由2・実行につなげるための社内政治力学の理解の必要性

データ分析は意思決定者が何を知りたいかを明確に捉えなければ始まらないし、最終的には意思決定者により利用されなければならない。優れた分析を作り出し、いくら正論をぶつけたところで動かなければ無意味になる。限度はあろうが、意思決定者の性格、やるべきことの優先順位、様々な政治的配慮などを考えた上でコミュニケーションを取らなければならないが、外部の分析者にはそれができないとは言わずとも相当に難しい。

特に経営者と意見の対立が起こる、あるいは経営者にとって気に入らないことを提言することは、不必要とあればすぐに契約を切られてしまうリスクが高すぎる外注に期待するべきではない。これらは社内の人間の役目であるべきだ。

■インハウスであるべき理由3・速さが違う

外注にとってみれば多くある仕事の1つでありこちらの仕事が最優先にされるわけではないので当然であるが、簡単なテストでも自社でやればその日に出来ることでも、外注に出せば1週間ぐらい待たされることはざらにある。それが1度や2度ではなく、外注に任せる間はずっと続くことになる。その間の機会損失を考えれば、できるだけ速やかにインハウス化を行うべきだろう。

■外注利用の大前提は主体的であること

とはいえ人員・予算・企業の規模など様々な問題であったり、それらはクリアできてもこれからデータ分析チームの立ち上げを行うような場合は最初に必要なのはデータサイエンティストではなくデータ分析プロセスをマネジメントする人だが、採用が難しいなどの理由で外注に頼らざるを得ないのが実情だろう。その際、気を付けなければならないのは主体的に動かせるかどうかである。外注はあくまでも外注であり、主導権は自社で取らねばならない。部分的に任せるにしても、任せるべきところとそうでないところがあり、外注を使う方法は気を付けなければならない。

■外注利用の方法1・プロセスのマネジメントができる人がいれば分析だけ任せる

最初は経営者自身が行うことになるかもしれないが、できればデータ分析プロセスをマネジメントができる人を確保したい。その上で、プロセスのマネジメントはしつつ、分析フェーズに関しては外注を使う方法が考えられる。

この場合も、どういった分析を行うかの設計までは自分達で行ってオペレーションだけを任せるケースと、より広く収集・分析・評価まで任せるケースの両方が考えられる。マネジメントの時間や力量次第ではあるが、インハウスであるべき理由1で述べたように、外注に任せるのはできるだけオペレーションレベルに止めておく方が望ましい。

■外注利用の方法2・それもいなければ要求だけは明確にする

データ分析プロセスをマネジメントできる人は簡単には見つからないので、社内で特性のある人を見つけて任命することになる方が大半だと思われるが、いきなりうまく切り回せるとは思えない。さりとて、経営者が行うには時間がない場合は、部分的に切り出しながら外注を使っていくことになるが、その際、譲っていけない一線が「何が問題か」を考えることである。

「何が問題か」を考えるというのは資産・人材・政治的要因・外部環境など様々な要因を理解していなければならないし、そもそも企業戦略を考えるという重要な部分を外部に任せるのでは経営者の存在理由を否定しているようなものだ。

何が問題であるかを考えた上で、「解決するためにはどんな情報が必要か」について外注と議論するべきで、この際も問題を考えたからといって後は全部任せてしまうと既知の分析を行ってしまったり、実行不可能な提案を作ったりと使えない分析になってしまうので、こちらにも積極的に関与することが必要である。

■外注利用の方法3・専門家の助力を仰ぐことを否定しない

現在の人員では難易度が高すぎて手におえない、新しい分野で経験が無いような場合には専門家の助力を仰ぐのは自然なことであり、インハウスにこだわり過ぎて行動が遅くなってしまうのは本末転倒。なお、その際ノウハウの吸収を忘れずに自社の力にできるよう学ぶのがよい。

■外注依存で成功している例はあるのか?

分析で成功している例がそもそも少ないのと、実態は内部に入らないとわからないことも多いので、あくまでも見聞きしている範囲の話であるが、分析を競争力にしている企業は基本的にはインハウス化を行っている、というのが実感で、コアな部分を外注に頼ってうまく行っているという話は聞いたことが無い。もちろん優秀なコンサルタントが付けば短期的にうまくいくように見えることはあるだろうが、データ分析が本質的に長期的な取り組みでなければならない以上、それは成功とはいえないだろう。

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タグ:経営者・マネージャー向け 組織 役割分担 外注


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