データ分析とインテリジェンス

(4)近視眼的な情報運用・・・『日本軍のインテリジェンス』から現在のデータ分析軽視を考える

■日本軍のインテリジェンスの特徴(4)近視眼的な情報運用

戦術的インテリジェンスは比較的得意だが、戦略的なインテリジェンスは苦手

インテリジェンスは副次的で、長期的・抽象的な戦略的思考が苦手なのだろう。戦略的に考えることが苦手であれば、そのために必要なインテリジェンスが求められるはずもない。一方で、脅威が目前に迫っていれば戦術的なインテリジェンスはわりと機能しているようで、満州における対ソ連情報収集、開戦前の東南アジアでの情報収集、暗号解読、などでは一定の結果を残している。ただしこれも(1)組織化されないインテリジェンスでも指摘されているように、現場の頑張りに支えられており、「現場の個人の能力に依存し、組織として機能しない」のではあるが。

■現在のビジネスにおけるデータ分析の場合

見たり触ったりできる場合には無類の強さを発揮する。例えばものづくりや食べ物はその良い例だ。しかし、見えないことにはあまり強くない。経営戦略、IT、マーケティングなどが当てはまる。したがってデータ分析も戦略情報ではほとんど使われていない。競合調査なども、長期的・組織的に行うコンペティティブインテリジェンスではなく、目の前の競合店調査などに集中する。もっとも、Webのようにデータ分析の成否がすぐわかり、しかも利益に直結するような場合でもなかなか発展していないので、対象が直接見て触れないと意識にひっかからないのかもしれない。

■これからどうするべきか

他国からの攻撃を受けることもほとんどなく、国内でも小競り合い程度しかしていなかった歴史的背景も含め、長い時間をかけて培われてきたであろう戦略的思考の欠如はそう簡単に解決する問題ではないだろうが、警鐘を鳴らし続けなければならない。Webサービスのように国境など簡単に飛び越してくるサービスは重大な脅威となるので、近視眼的な視野でしか物事が見えないと、致命的な判断ミスに繋がる。

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