データ分析とインテリジェンス

誰でも使える・素人にも使える分析ツールはいったい誰が使っているのか

誰でも使える・素人にも使えるという触れ込みの分析ツールがあるが、本当に活用されているのかというとかなり疑問が残る。実際のところ、導入したけれども使っていないのでどうしようという話はよく聞く。導入も維持もただというわけでもないのに、どうしてこのようなことが起こるのだろうか。そもそも、「誰にでも」とは言うが、ではそれは誰のことなのだろうか。

誰にでも使えるツールということは、裏返せば機能は限られており、専門家には到底物足りない。したがって専門家にはそのツールを使うモチベーションが働かない。ましてやツールの利用にデータの前処理が必要である場合、それはいったい誰がやるのか。もし前処理を自分でできるスキルがあるのならば、ツールを使わなくてもコードを書いて分析できるスキルもあるはずで、その方が遥かに応用が効くのでやはりツールを利用する必要性はあまりない。

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データ分析とは何か

データ分析というと専門家が難しい数式や統計を使って何かしていて、自分が関与しなくても任せておけば利益を上げてくれるなどと考えていたらとんでもない間違いである。分析と呼ばれる行いは、実際にはインテリジェンスサイクルという一連の流れの一部であり、分析だけでは始まりも終わりもしない。データ分析の全体像「インテリジェンスサイクル」とはにも載せた図を再掲すると

これを見ればわかるように、インテリジェンスサイクルは意思決定サイドが「何のため」であるかを明確にすることから始まる。これ以外の方法はない。「今あるデータを使って何かできないか」とか「せっかくツールを導入したのだから使いたい」など「何のため」から出発しない分析は失敗するかほとんどが無駄になるだけだ。

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作戦と情報は区別されている・・・『大本営参謀の情報戦記』に学ぶデータ分析(4)

第一線の戦闘部隊=営業、作戦=経営企画とでもおけば、ビジネスでもよくある話である。違いと言えば情報部があるかないかだが、あったところで無視されていたのだから無いのと同じようなものだろう。

作戦と情報の仕事が区別されている点についてはあまり知られていないのが実情だが、それ以前にインテリジェンスの存在が無視されているのだから当然と言えば当然で、このことを誰も認識していないために経営企画や営業は自分で情報を集め、分析し、企画書などを書く。すると当然ながら企画を通すために都合の良いデータを集め、都合の良い解釈をし、バラ色の未来が描かれる。その結果、いざふたを開けたら大失敗なんてことになる。

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意思決定する人と分析する人との役割分担について

経営企画・マーケター・コンサルタントなどは通常意思決定の前に分析を行うが、自分が意思決定するための分析を自分で行っている人が大半だろう。それを当たり前と考えている人の方が多いかもしれないけれど、この状況は必ずしも正しくない。

日本ではインテリジェンス自体があまり知られていないのでなじみが薄いが、国家や軍隊では、情報(インテリジェンス)と意思決定は百年以上前から明確に区別されており、ビジネスの世界でも今後同様になっていくであろう。

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データサイエンティストやデータアナリストになりたければ中小企業に行く理由はあまりない

データアナリストとして活動するためには、どこの企業にいるかは非常に大きなポイントである。もちろん経営者のデータ分析に対する意欲が第一なのだが、企業の規模も非常に大きい要因となる。中小企業であっても専門知識を持っている人はいるし、最先端の分析を使っている例外が存在することは当然承知しているのだが、あくまでも例外であるので全体で見た場合を考えている。

以下、中小企業でデータアナリストとして活動しようとした場合に問題になる点を挙げる。

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データ分析プロセスの概要

「データ分析」は一般的にはすでにそこにあるデータを何らかの手法で処理すること、あるいはその処理されたデータから何かを読み取ることと捉えられている。これは間違いではないがデータ分析の一部分を捉えているにすぎず、その先入観がデータ分析に対する理解が広がることを妨げている。

データ分析は実は「何を知りたいのか」という目的の決定から始まり、データの収集と分析を経て、意思決定と施策の実行が行われ、結果のフィードバックされることで終わる一連のプロセスである。このプロセスを知ることで、データ「分析」と呼ばれる行いが、実はデータ分析プロセスの一部であり、それだけを切り離して考えることはできないということが理解できる。

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報いを受けるのはいつでも最前線・・・『大本営参謀の情報戦記』に学ぶデータ分析(3)

米軍による『日本陸海軍の情報部について』という調査書にある文章である。これが書かれたのは昭和21年4月とのことだから、終戦1年経たずして当の日本では戦後70年経ってもいまだにまともに理解も研究もされない日本の情報軽視ぶりをアメリカは理解していたということである。情報に対する考え方がどれだけ違うかが良くわかる話であろう。

この意識の違いはビジネスの世界にもそっくりそのまま受け継がれており、日本企業でデータ分析がまともに活用されずにいるのは日本軍の情報軽視の姿がそのまま重なる。当然アメリカ側から見たらデータ分析を軽視している姿が良く見えるであろう。危機意識を持たねば、デジタル化がますます進む世界の中で負ける以前に勝負にならない状況が出てくることになる。すでに情報システムやwebの世界ではそうなっているのではないか?

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無視された情報教育・・・『大本営参謀の情報戦記』に学ぶデータ分析(2)

以後、ページ数は文春文庫版を元にしている。陸大を卒業後にそのまま大本営参謀となり、第二部(情報部)付となった著者が当惑している様子である。陸大卒業生と言えば、当時のエリート中のエリートである。にも関わらず、情報に関する教育を受ける機会が全くなかったということに驚かされる。

これは著者ではなく、著者の父である堀丈夫が著者に語った言葉である。堀丈夫も陸軍軍人(最終階級は陸軍中将)であり、2・26事件当時の第一師団長でその後予備役になっている。情報についてはほとんど経験がないと述べているにも関わらず、情報についての理解があることが伺える。陸大を出ていない無天組であるからこそ、自分の考えが常に正しいなどという傲慢さにとらわれなかったのかもしれない。

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データ分析に関わる全ての人に・・・『大本営参謀の情報戦記』に学ぶデータ分析(1)

『大本営参謀の情報戦記』という本がある。戦時中に大本営参謀、フィリピンの第14方面軍の情報参謀、戦後は自衛隊の統幕第二室(情報室)室長と、情報を専門にしていた軍人である堀栄三の回顧録であり、著者が情報参謀としてどのように考え、活動したかを中心に、

が描かれる。現場の参謀としての視点だけ(戦争物の書籍には実に多い。悪いとは言わないが偏りすぎである)ではなく、日本軍の情報軽視ぶりや、情報教育についてなど、広い視野から示唆に富む記述が多いのである。そしてこれを現在のビジネスシーンに当てはめてみると

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データサイエンティスト・データアナリストであることはハイリスク・ローリターン

なお、前提としてデータサイエンティスト・データアナリストとは、

としている。

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