データ分析とインテリジェンス

相手のレベルと好みに合わせたアウトプットを作る

データ分析に限らず専門家は、「こちらは十分に説明した、理解できないのは向こうが悪い。後のことは知ったことではない」という態度を取りがち。よくよく聞いてみるとたしかに説明はしているのだが、専門用語が随所に含まれておりとてもではないが初心者には理解できる内容ではなかったりする。

聞き手が上司など立場が上であれば聞き直すこともできるし、クライアントであればそのような態度はそもそも許されない。しかし立場が弱いと聞き直したくてもとっつきにくく聞きづらいし、なんだか嫌な顔をされそうで(実際にされること多し)だんだん足が遠のく。中途半端な理解のままだと意思決定に影響を及ぼすし、ツールだとそのうち適当なことをやってうまく動かなくなったり、無駄だらけで本来の何倍もの工数をかけてしまったり、という事態になり収拾がつかなくなっていく。

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分析の目的は意思決定と行動の質の向上である

「分析は目的ではなく、それだけでは成立しえない」という認識を持てるかどうかで、データサイエンティスト・データアナリストとしての価値は大きく変わると断言できる。

もしこの認識がなく分析だけが目的だと考えていると、要求に答えることや分析を使ってもらうことよりも、自己満足を優先してしまう。高度な理論や技術を使うことに夢中になって、自分やごく一部の専門家以外に誰にも理解できない結果を出したり、簡単な集計で済むところを膨大な時間を使って複雑な計算を行うということが起きる。個人の活動であれば問題なくとも、ビジネスに限らず多くの人との関わりがある中で行われれば良くて無駄、悪ければ厄災である。

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PDCAで本当に重要なことは問題を改善するために自発的に行動する人を育てること

PDCAを失敗させたければ、動く本人達を放っておいて、上層部で「PDCAをどうやって回すか」などと議論するのが最も近道だ。現場の声を聴かずに課題を押し付け、本人達は何もせず結果だけを期待し待っているだけ。言われた側も最初は適当にやって何か改善したようなことを言っては来るが誰も真剣に取り組んでおらず、上層部の気が変わるのを待っていれば良いと考える。やがて実際に上層部の興味が他の事に移って誰も気にしなくなり、最後はフェイドアウトして元の木阿弥となる。

それを回避するためにはどうするかといえば、議論なんかしている暇があるならとにかく本人にやらせるというのが結論である。とはいえ指示して放っておけば勝手にやるかと言えばそんなこともなく、適切なアドバイスは必要だが。

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ディープラーニング・深層学習ブームを総括する(2017年頃用)

ディープラーニング・深層学習いう言葉がよく聞かれるようになってそろそろ3年になるが、いまだに定義は確立されず、何をする人なのかもよくわからないまま、すでにブームはピークを過ぎ、このまま遠からず消え去っていくだろうという状態になっている。いったいなぜこのようなことになったのか、自分なりに総括してみる。

いつのまに人工知能との境目があいまいになり、やがて混同されている。このあたりになると実態もよくわからず、もはや名乗ったもの勝ちになってしまい、単なるハッタリになっているケースも散見される。ディープラーニング・深層学習と名乗ってはいるが、実はごく基本的な機械学習のアルゴリズムであるという場合すらある。それでもまったく知識の無い人には違いがわからず、結局は知識ではなく営業力勝負となっている。

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書評・感想『NHKスペシャル 盗まれた最高機密―原爆・スパイ戦の真実』・・・雑多ではあるけれども情報戦・インテリジェンスの入口に

著者はNHKで番組制作に関わっているようで、2014年にインテリジェンス1941―日米開戦への道 知られざる国際情報戦を発表しており、それに続いて第二次大戦中の情報戦がテーマの書籍である。

タイトルには「盗まれた最高機密」とあるが、「誰が」「何を」盗んだのかが良くわからない。読む前はタイトルからしてソ連の原爆スパイの話かと思っていたら、主なテーマはアメリカの諜報・工作機関であるALSOS(アルソス)であり、特にその一員であるロバート・ファーマン少佐の活動が中心である。原爆スパイの話題もあるにはあるが、タイトルにするほどの記述ではない。ちなみにイギリスもマンハッタン計画の話題で出てくるがあまり存在感はない(リューカンの重水工場爆破ではSOEは名前すら出てこない)。

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具体的な問題と、その問題に対してどのような分析が使えるかを簡潔に示したという点では価値のある書籍・・・書評・感想『新米探偵、データ分析に挑む』

『とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト)』著者の新刊ということで、今度は探偵事務所が舞台。探偵事務所という設定から予想できるように、様々な人が様々な問題を持ち込んできてそれに対してデータ分析を行う(解決まではいかないのが物足りないのは後述)という小説仕立てのデータ分析本。

データ分析の本と言うと、理論書や学術的問題への応用がメインではたからみると何をしているのかも、どのような利益があるのかもさっぱりわからない専門家向けと、数式の1つも出てこないデータ分析と言う名の「グラフの書き方講座」みたいなド素人向けと両極端に分かれる中、具体的な問題と、その問題に対してどのような分析が使えるかを簡潔に示したという点では価値のある書籍。一番需要がありそうなのに一番書かれないという不思議な状況に一石を投じることになるかもしれない。

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人工知能がバズワードで終わる理由と機会を生かせない分析業界について

このままいけば、人工知能は一時的なブームとなり、人工知能ブームを総括する(2018年頃用)に書いたように2・3年もすれば忘れ去られるだろう。バズワードで終わるには理由がある。これはメディアが無理やり流行らせようとしているだけということが最大の原因だろうが、せっかくの盛り上がりを活かせない業界側にも考えるべき点はあるのでは、ということでこの記事を書いた。

さて、今話題の人工知能であるが、「で、人工知能を使うことでどんな良いことがあるの?」という問いに具体的な内容を提示できる企業がどれだけあるかを考えるとあまり思い浮かばないのであるが、これはどういうわけだろう。あれができるこれもできるとイメージや夢物語はよく聞くのだが、では実際のサービスとして何があるかと言われてもあまりピンとこない。話題にしている人も定義も曖昧なまま盛り上がってはいるが、「今話題だから話題にしているだけの人が多くいるので盛り上がっているように見えるだけ」ではないのだろうか。

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これが読めたらどれぐらいのレベル?・・・書評・感想『岩波データサイエンス vol.1』

というわけでろくに中身も見ないで早速購入してあえなく撃沈したので感想というかなんというか、とにかく思ったことを書いてみる。全然わかってないので中身についてのレビューが欲しい人は詳しい人が書くのを待っていただいたほうがよいかと。

想定されている知識としては「MCMC」はもちろん「階層ベイズ」も知らないと厳しそう。本文中にも説明はあるけれどもこういうのはすでに知っている人が確認のために使うのであって、これで0から学ぶのは多分無理。ということは「データ解析のための統計モデリング入門(いわゆるみどりぼん)」の理解は必要ということに。

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最も重要なのは「”英語ができると選択肢が圧倒的に違う”ということ」を知ること

「英語なんて使えて当たり前でしょ、何を馬鹿なこと言っているんだ」という声も聞こえてきそうだが、そういう世界の方がおそらくは特例で、普通(?)に生きているとなかなかそういう事態にならない。

しかし、インターネットの存在が当たり前の人から見れば、今だにTVと新聞だけを頼りにする人を笑うように、英語ができるのが当たり前の人から見れば、英語ができない人は話にならない、という時代がもうすぐ来るかもしれないし、あるいはとっくになっているのかもしれない。

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経営者・マネージャーに必要なのはインテリジェンス・・・『競争優位の情報戦略』で競合分析を学ぶ(2)

第1回はこちら競合分析・競合調査とは・・・『競争優位の情報戦略』で競合分析を学ぶ(1)

インフォメーションとインテリジェンスの違いについて具体的な説明をしている。いろいろなところで様々な人がそれぞれの表現をしており、このブログでもインフォメーションとインテリジェンスの違いを書いているが、共通するのは加工しているか加工していないかである。

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