データ分析とインテリジェンス

バズワードの栄枯盛衰モデル

データサイエンティストもそうだが、現れては消えていくバズワードの栄枯盛衰には一定のパターンがあるのではないか、ということでモデル化を試みる。

2015/09/11追記:「人工知能」「ディープラーニング/深層学習」などいくつかのキーワードに実際に当てはめてみた → 「バズワードの栄枯盛衰モデル」を具体化してみる

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(4)近視眼的な情報運用・・・『日本軍のインテリジェンス』から現在のデータ分析軽視を考える

インテリジェンスは副次的で、長期的・抽象的な戦略的思考が苦手なのだろう。戦略的に考えることが苦手であれば、そのために必要なインテリジェンスが求められるはずもない。一方で、脅威が目前に迫っていれば戦術的なインテリジェンスはわりと機能しているようで、満州における対ソ連情報収集、開戦前の東南アジアでの情報収集、暗号解読、などでは一定の結果を残している。ただしこれも(1)組織化されないインテリジェンスでも指摘されているように、現場の頑張りに支えられており、「現場の個人の能力に依存し、組織として機能しない」のではあるが。

見たり触ったりできる場合には無類の強さを発揮する。例えばものづくりや食べ物はその良い例だ。しかし、見えないことにはあまり強くない。経営戦略、IT、マーケティングなどが当てはまる。したがってデータ分析も戦略情報ではほとんど使われていない。競合調査なども、長期的・組織的に行うコンペティティブインテリジェンスではなく、目の前の競合店調査などに集中する。もっとも、Webのようにデータ分析の成否がすぐわかり、しかも利益に直結するような場合でもなかなか発展していないので、対象が直接見て触れないと意識にひっかからないのかもしれない。

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(3)防諜の不徹底・・・『日本軍のインテリジェンス』から現在のデータ分析軽視を考える

第3に、防諜の不徹底である。防諜とは諜報を防ぐという意味で、情報を取られないようにする、今でいうと情報セキュリティ(ただしコンピュータからの情報漏えいに限らない)である。防諜の不徹底ということはつまりは情報が漏れていたということで、情報が洩れて意図がばれれば敵に先手を打たれてしまう。ここではその特徴として

があげられている。

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(2)情報部の地位の低さ・・・『日本軍のインテリジェンス』から現在のデータ分析軽視を考える

2番目に、情報部の地位の低さである。石原莞爾、服部卓四郎、辻正信、瀬島龍三など有名な参謀はみんな作戦であるが、情報で有名な人などいないだろう。地位が低さは勧誘や配属に現れている。その特徴は

の2つである。

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(1)組織化されないインテリジェンス・・・『日本軍のインテリジェンス』から現在のデータ分析軽視を考える

戦後書かれた戦争に関する書籍は、個々の戦場や戦いに特化しているか、あるいは従軍した本人による個人的な体験記がほとんどであり、全容を書いたものはほとんど見当たらない(翻訳本は除く)。インテリジェンス関連に至ってはほぼ後者のみで、あえて言うならば英米課長であった杉田一次(『大本営参謀の情報戦記』の著者堀栄三の上司でもある)が書いた『情報なき戦争指導』があるが、これも全容というには物足りない。

そんな中、2007年に発表された『日本軍のインテリジェンス』は「はじめに」にも書いてある通り、戦前の日本のインテリジェンスに関する包括的な考察を行うために書かれている。この内容が、現在のデータ分析軽視とあまりにそっくりあてはまるのだ。

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人工知能ブームを総括する(2018年頃用)

人口知能いう言葉がよく聞かれるようになってそろそろ3年になるが、いまだに定義は確立されず、何をする人なのかもよくわからないまま、すでにブームはピークを過ぎ、このまま遠からず消え去っていくだろうという状態になっている。いったいなぜこのようなことになったのか、自分なりに総括してみる。

いつのまにか既存の機械学習との境目があいまいになり、やがて混同されている。このあたりになると実態もよくわからず、もはや名乗ったもの勝ちになってしまい、単なるハッタリになっているケースも散見される。人工知能と名乗ってはいるが、実はごく基本的な機械学習のアルゴリズムであるという場合すらある。それでもまったく知識の無い人には違いがわからず、結局は知識ではなく営業力勝負となっている。

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気の毒なのは、とにかく第一線であった・・・『大本営参謀の情報戦記』に学ぶデータ分析(12)

はるか遠く離れた東京で現場を見たこともない大本営の参謀が立てた作戦がいかにでたらめであったか。ガダルカナルやニューギニアの悲劇はまたここでも繰り返されているが、どうしてこのようなことが起きるのだろう。

ビジネスでも同じだ。現場を知らない経営企画が作った計画のおかげでひどい目にあった経験のある人も多いだろう。情報を無視するどころか考慮すらしないのは昭和の日本軍とまったくかわらない。机上の作文をよしとしてしまうことは教育なのか文化なのか、どこかに欠陥があるはずだが、一体それはなんなのだろうか。

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データ分析に理解の無い経営者をどうやって動かすか

「データ分析がいくら重要だと言ってもどうせ聞かないだろうから無駄」だとそのままにしてはやりたいこともできないし経験も積めない。揚句に業績が上がらずボーナスも出ない、ではどうしようもない。さっさと脱出して他にいけばいいのだが、そう簡単にできるとも限らない。そこで、データ分析に理解の無い経営者をどうやって動かすかについて考える。

なお、今回の話は実行してどうなっても知らない。

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『はじめてのパターン認識(はじパタ)』のための数学メモ 第4章(1)

無相関化とは、各データ間の共分散を0にすること、すなわち共分散行列の対角化のこと。

行列\(A\)に対して、\(Ax=\lambda x\)を満たす\(\lambda\)を固有値、\(x\ne 0\)を固有ベクトルと言う。\(A\)が与えられたときに固有値と固有ベクトルを求めるのが固有値問題。ここでは\(A=\Sigma,x=s\)とおいている。

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競合調査とは何か

何が起こるかわかれば先手が打てる。孫子に言う「明君賢将動きて人に勝ち、成功の衆に出ずる所以の者は、先知すればなり」である。ビジネスを行う中で競合を含めて、外部の環境を見ることなしに盲目的に進めるなど自殺行為に等しい。ところが、この競合調査に力を入れている企業というのは案外少ない。行っていても組織的に行われず、特定の個人に任せきりになっているとか、Webや新聞の情報を集めて共有しているだけとか、競合調査とは言えないことを競合調査と言っていることも多い。

そこで今回はそもそも競合調査とはどういったものかの解説である。

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