データ分析とインテリジェンス

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バルチック艦隊ヲ捕捉セヨ - 海軍情報部の日露戦争

日露戦争におけるハイライトと言えば陸では奉天会戦、海では日本海海戦だが、その日本海海戦までに日本がどのようにしてバルチック艦隊の居場所や艦隊編成などを掴もうとしたかをテーマ。というわけで派手な戦闘の描写は無く、むしろ地味な調査活動がメインではあるが、日本海海戦での勝利の一旦を確実に担っていたであろう情報活動に焦点が当たるのはめずらしく、また日本のインテリジェンスの成功例というさらに稀有な例を取り上げている。

舞台はバルチック艦隊の出立からヨーロッパ・インド洋・東南アジア・仏領インドシナ・上海と移り変わり、現地に駐在していたり調査に送り込まれた軍人、協力する日本人、雇われた外国人などがあの手この手で情報を集めながらその居場所を追いかけていく。信濃丸によるバルチック艦隊発見までにこれだけの努力があったことや、戦後のポーツマスだけではなくこんなところでも日英同盟の恩恵があったことは知らなかった。

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ゼロから作るDeep Learning Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

ディープラーニングに限らずだが機械学習はなんとなくやっていることの雰囲気は掴んでいるつもりで、理論の詳細は理解できなくても機械学習はアルゴリズムを使ったPDCAであるといったことは書ける。それでもやっぱり気にはなっていたのだが、初心者が気軽に手を出せるレベルでちょうど良い本があまり見当たらなかった(数式を使わないで文章だけで説明しようとする入門書はのぞく)。

この本は理論を例題を使って説明し、さらにはPythonによる実装まで解説してくれるといたれりつくせりで、ニューラルネットワークはもちろんのこと誤差逆伝播法や畳み込みニューラルネットワークについてここまで丁寧でわかりやすい解説は見たことがない。日本人が書いていることもあり非常に読みやすく、ディープラーニングをきちんと学びたい人向けの入門書として長く使われるのではないかと思われる。

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敗北の理由 日本軍エリートはなぜ迷走したのか

日本の情報軽視についてはたびたび触れているが、この書籍でも情報軽視によってどれだけの失敗が繰り広げられたかが延々と記述される。さらに加えてアメリカ側との違いをまざまざと見せつけられ、正直なところ読んでいてうんざりする。

情報無視の上層部、自分の願望で物事を考える司令官や作戦部の参謀、事実を報告してはののしられたり脅される情報担当者、外国の政権に近づきすぎていいように操られる外交官とよくもまあここまで失敗するものだという話が延々と続く。たまに成功例が出てくるがそれは相変わらず特定個人の頑張りであり、それが組織として生きることはない。

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DeNAのサイバーセキュリティ Mobageを守った男の戦いの記録

本書はDeNAでインフラエンジニアでの活動をきっかけにセキュリティの重要性に気づき、現在はセキュリティ部の部長を務める著者がどのようにしてサイバーセキュリティに携わるようになったかの物語であり、また実務で学んだことをまとめた記録である。

理論や概要については書籍が多くあるのでそれで勉強はしたものの、それだけ読んでも現場では何が起きていてどうしなければいけないのかは何も書いていないため、実務上でおきる様々な問題に対応できず仕事ができないというのはよくある話であるが、サイバーセキュリティ・情報セキュリティについても同様。そんな中で本書は実務で経験したことや得られた教訓が書かれてセキュリティ担当者には特に有益だろう。この分野では同様の書籍を見たことがないので、だとすれば当面この書籍がスタンダードになるのかもしれない。

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情報の捨て方-企業情報のための情報

「情報の捨て方」とありがちなタイトルであるが、情報の収集や分析についてまとめられた本。データ分析について日本人が書くと体系的にまとめられることはあまりなく、著者の経験に基づいて書かれたノウハウ本か、学術的な専門書に偏るのは以前から変わっていないらしく、この本は前者に属する。

似たような本が結構あるが、その中でもわりと使えそう。30年以上前(1983年)に出た本の割には今でも通じることが多いのは、あまり進化していないせいだろうか。例えばこの一文。

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シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃

実態のよくわからない「人工知能」に仕事が奪われるなどと無責任に煽ったり、「ビックデータ」のような定義が至極あいまいな言葉で煙に巻いてシステムを売り込むための宣伝文は数多いが、本書はそれらとは大きく違う立場をとっているということは次の1文でわかる。

ではその現象とは何か。著者は「アルゴリズム革命」であるという。すなわち

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「洞察力」があらゆる問題を解決する

分析結果からそれはなぜなのか、これからどうなっていくのかを見極める洞察力は分析における主なテーマなので非常に興味がある。ところが情報収集や分析手法についての書籍はたくさんあるものの、その先の肝心な洞察については触れられないことがほとんどであるなかでまさに「洞察力」をテーマとして掲げており大いに期待して読み始めてはみたものの、前置きが長くなかなか本題に入らない。

飛ばしてつまみ食いしようとしたけれども、それでもどこを読めばいいかよくわからない。欧米人はあらゆることを網羅しようとして冗長なことが多いがこれは悪いところが出てしまった例だろうか。探す気も起きないので保留。

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最強の社会調査入門

分析も分野がいろいろあるけれども、最近より世の中を広く知ることに興味があり、それならまずは社会学だろうかということで本屋にいったらちょうど出たところだったので読んでみたが、いまいちかったるい。入門ということで学術的な話ではなく、執筆者それぞれの体験談を集めた形。例えてみれば線形代数の入門書を開いてみたら、簡単な計算を延々と詳細に解説していて、全然先に進まない本みたいな感じだろうか。学生や新社会人ならいいかもしれないけれども、いまいち合わなかった。

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「諜報の神様」と呼ばれた男

第二次大戦における日本のインテリジェンスが総じていかに悲惨なものであったかは『[[大本営参謀の情報戦記]]』を一読すればよくわかるが、それでもごくわずかながらインテリジェンスの重要性に気づき、ときには組織に邪見にされながらも活躍する個人がでる。福島安正や明石元次郎は有名であるが、例外の1人が本書で語られる小野寺信である。

ポーランドやエストニアの情報機関員との関係を築き、ヒューミントにより重要な情報を手に入れる活躍ぶりは本書を読んでもらうとして、小野寺信の活動も、日本のインテリジェンスの特徴である

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統計学が最強の学問である[ビジネス編]

第一章は「経営戦略のための統計学」とあるが、ポーターやバーニー、グラントといった経営戦略論の話で、分析といえばそうだけれども統計学の話ではないようだ。最後に重回帰がちらっとでてきてたみたいだけれども数式はなく文章での説明。疲れているからかそういう本なのか、なんかもやっとした感がすごい。

知名度はあるからそれなりには売れるだろう。評判を見てよさそうなら戻ってくるかもしれないけど、今回のところはもういいや。

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インテリジェンス-国家・組織は情報をいかに扱うべきか

インテリジェンスを学ぼうとする際に、あまりに教科書的な本だと読みづらくて挫折してしまうことになるが、このインテリジェンスは事例が豊富に入っており、学術本と実用本の中間やや実用本よりでとっつきやすく、かつ文庫なので手軽に手が出しやすい。より現場の分析官向けには『[[戦略的インテリジェンス]]』があり、『インテリジェンス入門』の次に読む本としてはこの2冊あたりだろう。この本が軽く読めるのならばまずは『インテリジェンスの基礎理論 第2版』、そしてローエンタールの『[[インテリジェンス-機密から政策へ]]』に挑戦してみるのがよいだろう。ただし事例が多いということは最新の事例が書かれていないということでもあり、改定されないようなら5年後に読むのは厳しいかもしれない。

本文の全体の流れとしてはインテリジェンスサイクルを中心に展開し、後半は組織やインテリジェンス関連の話題に移っていく、と一般的なインテリジェンス本の流れと同様。ビジネスに応用を考えるには分析手法や考え方が書いてあるわけではないので弱いけれども、第4章後半のインテリジェンスと政治との関係についての議論は有用で、ビジネスでいえば上司やクライアントとアナリストの関係を考える上でよい参考になる。両者の関係は近すぎても遠すぎてもうまくいかないのだが、ビジネスでは大抵関係が近すぎて政治化したり悪い話が伝えられなくなってしまうという問題がおきる。どの程度の距離が最適なのかは一般的には難しいどころか永遠に解決しない問題だろうが、個人的には相手が受け入れてくれるのであればつかず離れずぐらいがちょうどよい。

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二重スパイ コード・ネーム《ガルボ》

第二次世界大戦中、英国ではドイツのスパイを寝返らせて英国のスパイとさせる二重スパイとし、ドイツに偽情報を送るダブルクロス・システムを作り出した。その中でも最も重要であったと評価されているのが本書の主人公・暗号名「ガルボ」だ。

英国に潜入を試みるもすでにエニグマの解読により事前ばれていて待ち伏せをくらって捕まり、殺されるか二重スパイになるかの選択を迫られた上で二重スパイになることを選んだ他のスパイとは異なり、ガルボの場合は英国のスパイになるためにまず進んでドイツのスパイに名乗り出て、それから英国のスパイになった、という変わり種。

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太平洋戦争裏面史 日米諜報戦

真珠湾、フィリピン・ガダルカナルなど南方の残留諜者、珊瑚海、ミッドウェー海戦、零戦の技術、ダンピール海峡の悲劇、山本五十六暗殺(海軍講事件)、海軍乙事件、台湾沖航空戦と題名に日米諜報戦とはあるけれども真珠湾を除けばあとは一方的に日本が情報で失敗し、やられる話。

暗号が解読されているにも関わらずその事実に思いもよらない、解読されているのではないかと指摘されても気が付かない、重要な情報を取られても問題にならない、あげく戦果を大きく見積もりすぎて判断を間違える・・・と、どうしてこんなにダメなのかというくらい失敗が続く。

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立地の科学

水道橋、神田、中野、池袋、それと架空のいくつかの状況を例として、人がどこをどのように通るか動きを追いながらなぜその店が流行るかを立地を中心にして分析する。特に実在する場所については土地勘があるとすんなり頭に入り易いので近くの人は実際に現地に行ってみるのがよいだろう。

売上要因分析の紹介は使えそう。これもそのまま鵜呑みにするのではなく、自社に合わせて取捨選択あるいは別の指標を追加してカスタマイズする必要はあるにしても、十分参考にはできる。内容は次の通り。

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インテリジェンスの基礎理論 第2版

もともとさほど多くないインテリジェンス本だが、その中でも少ないのが学術的な理論としてインテリジェンスを記述している本。そんな中でこの本は日本人が書いているという点でさらに希少。とはいえ中身はローエンタール『[[インテリジェンス 機密から政策へ]]』からの引用が多く、同書の入門編のような位置づけか。『[[インテリジェンス 機密から政策へ]]』に挫折したらこちらを試してみたらどうだろう。なお、現在第二版であり、青が初版(2011年)でエメラルドグリーンが第二版(2014年)。

理論というだけあって教科書のような記述で全体的に退屈ではあるので、インテリジェンスを本格的に学ぼうといきなり手を出すと飽きてしまうかもしれない。そういう人には『[[戦略的インテリジェンス]]』の方がよいだろう。こちらはもっとくだけた(?)書き方で読みやすいし話の中心となるインテリジェンスサイクルについての記述もある。

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サイバー戦争論

情報セキュリティとかサイバーセキュリティもインテリジェンスの分野なのでたまに読むことにしてはいるが、この本はもっと広い範囲であるサイバー戦や技術について扱っていて、諜報の話は『[[サイバー・インテリジェンス]]』にまとめられているとのこと。

概略というか総論というか、教科書的な書き方であまり面白みがない。サブタイトルにもあるようにナショナルセキュリティがテーマだからビジネスの話でもない。読む本間違えたかも。

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統計的学習理論

最初からさっぱり理解できず。機械学習の初心者にはどうもハードルが高すぎるみたいだけど、レベルの差が激しいこのシリーズの中でもトップクラスでは。

アペンディクスにルベーグの収束定理とかが入っててびっくり。これ知らないと読めなかったりするのだろうか。機械学習の人ってエンジニアとか物理とか「数学を道具として使う」ことに慣れている人が多い気がするけれども、測度論とかルベーグ積分もやっているのだろうか?

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人工知能が金融を支配する日

1ページ目の「近年急速に発展している人工知能の技術は機械が自分自身で学習するというものです。」にずっこける。それが実現できていたら金融どころの騒ぎではない気が。

もしかしたら違う意味で言っていたり読み間違えているのかもしれないけれども読む気がうせたので今後評判がよさそうならまた改めよう。

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データサイエンティストが創る未来 これからの医療・農業・産業・経営・マーケティング

ビックデータの活用事例もありますが、どちらかというと人に焦点を当てています。特に中心になるのはIBM→Facebookでデータ分析チームを立ち上げ→クラウデラに参加→医療業界へ転身したデータサイエンティストであるハマーバッカーですが、日本では選択肢もなければ流動性も低いので参考にはもちろんなりません。

全体的に雑多な印象ですが、数年前のアメリカのデータ分析事情を垣間見るのにはいいかもしれません。変化の激しいデータ分析業界ですので現在はもっと先へ進んでいるのでしょう。表に出てくるのはごく一部でありすそ野は遥かに広いでしょうから、その差がどれだけ広がってしまっているか想像もつきません。

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イスラエル秘密外交・モサドを率いた男の告白

イスラエルの情報機関モサドの元長官による回顧録。スパイとかではなく90年代から2000年代のイスラエル外交史が中心。情報機関も幹部になると政治家や外交官になるようだが、データ分析の専門家のキャリアとして経営幹部というのはありなのだろうか?

『[[モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」]]』の文庫版で違いは序文があるかないか。タイトルを「外交」に変更したのはよかったと思う。スパイ物が読みたければ『[[モサド・ファイル]]』の方が良い。

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ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かすビッグデータの残酷な現実

書評・感想といいつつ全然本の内容の紹介になっていませんが、一番印象に残ったのがこれだったのであえて書くことにしました。「データサイエンティスト」「ビックデータ」「ハーバード」と見事にどこかでよく見かけるキーワードがちりばめられた題名ですが、それゆえ題名からだと何の本なのかがよくわかりません。もちろん帯や目次をみればいくらか様子はわかるとはいえ、あまりこの分野を読みなれていない人は注意した方がよいでしょう。

中身は主に男女関係についてネットのデータからその行動を分析する話が中心です。著者はOKキューピットという出会いサイトの創業者の1人なので当然と言えば当然で、この手の話題に興味がある人、雑学好きな人には読み物として良いかもしれませんが、いずれでもなければ読んでも退屈ではないでしょうか(これを書いている当人も中間はほとんど飛ばしています)。

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ITエンジニアとして生き残るための「対人力」の高め方

コミュニケーションと言うと嘘でたらめ混ぜ込んでクライアントに買わせるとか、自分の評価を上げるために上司にごますりするとか、飲み会を盛り上げるための馬鹿話のことかと思っている人もいるようですが、そういうどうでもいい(?)話はともかくとしても、誰かと一緒に仕事を行う以上は最低限のコミュニケーションは必要です。

そんなコミュニケーション(タイトルは対人力ですがコニュミケーションの方が一般的だと思いますのでこちらに統一します)をテーマにした本書は「ITエンジニア」とタイトルにはありますが、仕事のための基本的なコミュニケーションスキルなので誰にでも当てはまります。分析に関わる人なら「データサイエンティスト」「データアナリスト」「リサーチャー」などなど自分の肩書に合わせて読むと良いでしょう。

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データ・アナリティクス実践講座

「データ・アナリティクス実践講座」とはありますが、アナリストのためではなくアナリティクス「プロジェクト」を動かすコンサルタントやマネージャー向けの書籍です。書いているのがアクセンチュアなのでそういう視点になるのは当然かもしれませんが、題名はちょっとミスリード気味になっている感は否めません。

前半では簡単な統計知識、課題の定義と仮説立案、収集・加工、システムとデータ分析に関連する広い話題を扱っているのが特徴で、日本の書籍で全体像に触れている書籍は非常に少ないのでとても貴重です。一方でそのプロジェクトを成功させるための最も重要な要因である「経営者・マネージャーなど意思決定者の責任」に触れられていませんが、その方が仕事は取れるので仕方がないのでしょうか。

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事例+演習で学ぶ機械学習 ビジネスを支えるデータ活用のしくみ

識別、予測、決定木、テキストマイニング、付録ではRとよく見かける話から推薦システム、ソーシャルネットワーク、検索連動型広告とわりと珍しい話まで幅広く触れられています。特徴としては他の書籍と比べて演習問題が少ないながらも掲載されており、一般論だけでなく具体的な計算過程が見えるのはとても良いと思います。機械学習の書籍は計算の具体例が余りなくどのような計算をしているのかさっぱりわからないことが多い中ではわりとめずらしいのでは。

例えばSVMで6つの学習データを元にラグランジュの未定乗数法を使って識別境界とサポートベクトルを求めていたり、決定木では情報利得とエントロピーについて計算していたりします。

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分析力を武器とする企業

2008年発売の本書はビックデータが話題になる前に分析力に注目しており、なぜデータ分析が競争力になるかをはじめに、組織・文化・人材にまで触れられているデータ分析ではもはや古典にして基本書、と言っても過言ではないぐらいです。発売直後に手に入れてそれから何度も読んでいますが、今回改めて読み返してみてもまだまだ読み込めていないと感じます。本書を読んでいないデータ分析者はもぐりである、ぐらい言ってもいいかもしれません。

分析手法や処理方法が書かれているわけではないで実務にすぐ使えるという本ではありませんが、どういった形であれ分析に携わるならば押さえておきたい1冊でしょう。なお、2016年も半ばになろうとしている本記事執筆中において、このレベルにたどり着いた日本の書籍はありません。たどり着くどころか比較にもならないというのが残念ながら実情です。それを端的に示す一文をご紹介しましょう。

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データサイエンティストの舞台裏

「舞台裏」というからには見えない部分で何をしているか、どういった分析なのかが紹介されているとかと思って読むとだいぶ様子が違いますのでご注意ください。数式や分析手法についてはほとんど触れられていません。

それもそのはず、元は日経情報ストラテジーに掲載されている記事なので読者は分析者ではなく、しかも経営層よりなのでそもそも対象が違うのですが、それでもデータ分析を活用する文化や組織の話題なのかというとそうでもなく最後の方に少し出ているぐらい。「データ分析事例集」の方が妥当ではないでしょうか。

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私を通り過ぎたスパイたち

戦後、まさに第一線の「スパイ・キャッチャー」であった著者の回想と、次の時代への提案です。「スパイ・キャッチャー」とは文字通りスパイを捕まえる側ですが、現場の個人のがんばりにだけ頼って国や組織的なバックアップが少ない無いなかでの苦闘が書かれます。さて、「スパイ」と言えば怪しいとかうさんくさいとか思った人も多いでしょうが、著者はこんなことを書いています。

今でもこの状況はあまり変わっていないのではないでしょうか。それとも、このような時代を生きてきた人から見たら、いくらかは改善しているのでしょうか。回想はゾルゲ事件、ラストロボス事件、コズロフ事件(宮永スパイ事件)と、1930年生まれの著者の主に現役時代の話なので大分話は古いのですが、スパイを捕まえても本人が驚くくらい軽い刑にしかならないという状況は今でもほとんど同じな気がします。

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SQL実践入門 高速でわかりやすいクエリの書き方

SQLについて(SQL限らず全般的にそうですが)は入門書はたくさん出ていても、その次の段階に進もうとすると途端に選択肢が狭まってしまうために困っている人は多いと思いますが、そんな人にちょうど良い書籍です。本書のポイントは、case文ウィンドウ関数で、いずれも入門書だと書いてはあってもさほど詳しく触れられないのですが、うまく使えば良い道具となりえます。

第1・2章は前置きで第3章からが本番ですが、まず読むならば第3章から第5章と、第7章から第8章の前半あたりでしょうか。このあたりが自在に使いこなせたら、初心者の上位から中級者の下位あたりまで上がるのかな、というのが自分の感覚なのですが、プロレベルの人から見たらどうなんでしょう?

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マーケティングインテリジェンス―リサーチから情報管理システム確立へ

以前『CIA流戦略情報読本 リアル=ワールド・インテリジェンスの世界』の中でも名前だけ出してみましたが、こちらも隠れた良書。しかもビジネスにおけるデータ分析をより広く、かつ具体的に書いているので経営者・マネージャーはもちろん現場の分析官(特に戦略情報担当)にも読んで欲しい一冊です。

この本は原書が1968年、日本語訳がその翌年の1969年(昭和44年)というから、50年近く前に出ているのですが、そんな時期にビジネスにおけるインテリジェンスについての包括的な記述のある本が出ているという事実にまず驚きます。目次をざっと紹介すると、

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CIA流戦略情報読本 リアル=ワールド・インテリジェンスの世界

「CIA流なんとか」というタイトルから、定期的に出版される少々うさんくさい書籍を想像してこの本も避けてしまうとしたら、それはとてつもない損失です。原書は『REAL・WORLD INTELLIGENCE』で著者も元CIA所属ということで興味を引くために邦訳の時にくっつけたのでしょうが、逆効果になっている気もします。

さて、本文は至って真面目な「ビジネスにおける戦略情報」について書かれている本です。150ページに満たないのですが、「インテリジェンスとは何か」から始まり、データ分析のプロセス(あるいはインテリジェンスサイクルと明記はされていませんが、内容は明らかにそうです)、組織と意思決定についてと、ビジネスにおけるデータ分析の活用について俯瞰されています。文章も学術的な固さはなく非常に読みやすいので手元においておき、都度目を通すのがよいでしょう。特に経営者・マネージャーはちまたでよく見かける「データ分析本」を10冊読むならばこの本をとにかく1度読んでみることをお勧めします。

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10年戦えるデータ分析入門

先行発売していたので早速購入。まず最初に言っておくと、この本は分析の本ではない。なのでデータ分析入門という言葉につられて読んでも、特にマーケターなどプログラムなんてさっぱりという人には厳しいだろう。では何の本かと言えば、「データ分析のためのSQLの入門書」である。

SQLの入門書というと、主に存在するのは分析のためではなくDBエンジニアなどのための本なので、例として挙げられるのも社員マスタとかだったりすることが多いが、この本ではECサイトの注文履歴やアクセスログがサンプルになっているので、これからSQLを学ぼうとしているデータ分析経験者には役に立つのではないだろうか。一方で内容自体はselect、集計関数、JOINなど基本的なこと+αぐらいで、特に目新しい内容があるわけではなくあくまでも入門書なので、ある程度実務でSQLを使っている人には物足りないであろう。昨年出た『[[データ集計・分析のためのSQL入門]]』よりもさらにSQLの解説が詳しくなっているぐらいの位置づけだ。

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成功する要求仕様 失敗する要求仕様

まずはこの文章を読んでもらいたい。これでピンとくるものがあれば、読んで損はない。

もっとざっくりいうと、「客の話を聞き、優先順位を付けて、文書として残す」である。聞けば誰でもわかるが、うまくできる人はなかなかいない。ろくに話も聞かずに勝手に独りよがりな分析やツールを作って「わからない奴が悪い」「面倒でもなんとかしろ」「わかりづらくても慣れろ」などという作り手の身勝手な考え方は許されるべきではないし、たとえ立場が強くてその時は通用したとしても必ず淘汰される。そうならないようにきちんとコミュニケーションをとる、それが「要求のマネジメント」であるということだろう。

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ビッグデータ・ベースボール

20シーズン連続負け越しのピッツバーグ・パイレーツが、データ分析によりそれまでの野球の常識を覆したまったく新しい視点から再評価したことで落ちぶれていた選手たちをよみがえらせ、ついにポストシーズン進出を果たす。というのが大筋で、いわば『[[マネー・ボール]]』の再来である。テクノロジーや手法は進化しても本質に変わりはない。

マネー・ボールといえばちょっと前に映画にもなり、書籍も結構売れたようで話題になっていたが、本書は同様の流れをんだ「ベースボールにおけるデータ分析」に関する書籍。マネー・ボールが主人公であるオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンを中心に描いていたが、本書はGMだけではなく監督、コーチ、プレイヤー、そして分析者ともっと多様な視点から描かれている。

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レーニン対イギリス秘密情報部

ロシア革命からの数年間、ペトログラード、モスクワ、タシケントで繰り広げられるカミングのイギリス情報部対ジェルジンスキーのチェーカーの戦いを描く。潜入、変装、偽名、成りすまし、隠れ家、秘密道具、盗聴、砂漠や機雷原を超えてのロシアからの脱出、プロパガンダ、謀略と盛りだくさん。これが小説だというならまだしも、ノンフィクションというのだから驚く。

掴まれば処刑されるかもしれないのにロシアに再入国する人、西トルキスタンで何が起きているのかを調べるために遠く遠征する人などまさに命を懸けた情報戦である。この情報に対する意識の違いはいったいどこからくるのだろう。まぁ、情報のためというよりは冒険を求めているだけな気もするが。

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ジョーカー・ゲーム

あまり小説は読まないのだが、少し前に映画になったり今年の春にはアニメになったりと何かと名前を見かけるので読んでみることに。まぁなんというか、エンタメ以上でも以下でもなく、特にこれといった感想が思いつかない。ノンフィクションの迫力には勝てないし、局地的な小競り合いで終わってしまっているのでフォーティテュード作戦とか、日本版キム・フィルビーとか小説なのだからいっそもっと派手にしてもよかったのにと不完全燃焼。シリーズがいくつか出ているようだが、続きは保留。

中身はいろいろごった煮だ。D機関のモチーフは陸軍中野学校なのはすぐわかる(本部の場所とか、陸軍中野学校の1期生も20人いない程度と規模もほぼ同じ)として、選抜試験で建物に入ってから試験会場までの階段の数を質問されるのは『[[大本営参謀の情報戦記]]』で陸軍大学校入試の話として出てくるし、ロンドンの写真館を装っているのは石光真清、シュナイダーはゾルゲでXX(ダブル・クロス)はそのまま第二次大戦中にナチス・ドイツのスパイを捉えて二重スパイにしていたXX(ダブル・クロス)委員会の名称そのままだったり、他の元ネタもどこからか出てくるかもしれない。

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プロジェクトの失敗はだれのせい?

(データサイエンティストではないけど)データサイエンティストはSEであるべき・・・か?の一環として、分析ツールを作って誰かに提供するような場合、遅れたり大失敗したら訴訟になったりするのだろうか、なんて思っていたときにちょうど見かけたので読んでみた。著者は東京地方裁判所でIT専門の調停委員をしているそうで、実際に見てきたのであろう話を元にしていると思われるだけに生々しく、読んでいると他人事では済まされない。

小説なので読みやすい代わりに少々間延びしているのと、後半は総会屋崩れを相手にした勧善懲悪な話になっており本筋と離れてしまったのはちょっと気になった。同じ著者による『[[なぜ、システム開発は必ずモメるのか? 49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術]]』の方が個人的にはあっているようだ。内容は(多分)似ているのであとは読み手の趣味が合う方を選べばよいだろう。

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CIAの秘密戦争

本書は、パキスタンでの活動を中心とした9/11後のCIA史である。暗殺の復活、ペンタゴンとの主導権争い、本来の役割であるインテリジェンス収集、分析よりも暗殺をはじめとした秘密活動に力を入れるCIAと外注される戦争に群がる人々、ドローンで暗殺されるアルカイダの幹部や、誤爆に巻き込まれる多くの一般市民・・・戦後南米などで行われていた政権転覆などの謀略事件を思い出させるのは結局のところCIA(というかアメリカ人)の性癖なのだろうか。読んでいてずっと思っていたのは「いったいこいつら何をしているのだろうか?」であった。

「CIAがこれほどOSSに似たことはなかった」とCIA長官だったマイケル・ヘイデンが語っている。OSSと言えば欧州でのサボタージュやら心理作戦やら情報機関というより英国のSOEのようなことをやっていたイメージ(両方とも日本語で読める書籍がないのであちこちで聞きかじった話による)なのだが、あながち間違っていないのかもしれない。

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文系でもわかる人工知能ビジネス

10分ぐらいで読むをやめたのだが、ともかくも第1章のダイジェストはこうである。物語仕立てにはなっているが必要な部分だけ抜き出す。

と開始4ページでこんな調子である。ついでにいうと、

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インテリジェンス入門

もともと日本語で読めるインテリジェンスの書籍は少ないのだが、「はじめに」にもあるようにその少ない書籍もスパイとか盗聴とかそういった話題が多い。そんな中、2003年に発売されたこの書籍は日本人がインテリジェンスの全体像を描いた入門書としてはおそらく最初の書籍で、現在でも最良の入門書であろう。インテリジェンスについて学びたいと思うのであれば(洋書はわからないが)まず手に取るのをおすすめできる一冊である。

インテリジェンスとは何かから始まって[[インテリジェンスサイクル]]や実務における運用の問題と戦略インテリジェンス論に近い構成であるが、こちらの方が内容が平易でありかつ日本人が書いていることもあり、数段読みやすい。さらにはビジネスにおける[[コンペティティブ・インテリジェンス]]にも触れられており、国家戦略レベルのとっつきにくい話だけに終わらない点もよい。

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10倍ラクして成果を上げる 完全自動のExcel術

VBE+カスタマイズで自動化・効率化を行うための入門書。基礎的な使い方をかなり丁寧に説明しているのでエンジニアやデータ分析担当者など普段から使っている人には簡単すぎるレベル。大げさなタイトルにつられて買ってもあまり使い道はないだろうが、この書籍の本当の使い道はそんなところにはない。

単純作業に時間を費やしている人にこの書籍を渡し、自分でやってみることを勧めてみる。その後どうするかでその人の将来性はかなりわかるだろう。

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戦略インテリジェンス論

原書『Strategic Intelligence for American World Policy』はあちこちで見かけていたので興味はあった。しかし翻訳が無かったこと、中古で20万円から30万円という値段がついていたことから半ばあきらめていたのだが、ここにきてまさかの邦訳が登場(原書も同月に再販が出ている)。しかも訳者がまだ20代ということでさらにびっくり。

早速購入して読んではみたものの、どうも読みづらい。内容が自分にはまだ難しすぎるからか、箇条書きの多い文体のせいか、翻訳に難があるのか、あるいは原書が終戦直後の1948年とすでに70年近く前の発表であり今と文章が多少なりとも違うのかよくわからないのだが、時間をかけてじっくり取り組まないと内容を吸収するのは難しそうだ。というわけでまた近いうち再読することになるだろう。

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太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで(上)

今月になって文庫が発売されたのでちらっと見ていたら「3月に続編の『ガダルカナルからサイパン陥落まで』が発売された」と見かけたのでそれではということで棚から引っ張り出してきた。

上巻の前半では日本の真珠湾攻撃・マレー沖海戦といった「日本軍が勝っていた戦い」から、戦前の日本の状況、そして連合艦隊司令長官山本五十六と、真珠湾の責任(本文中にもスケープゴートにされたとある)キンメルに変わって太平洋艦隊司令長官となったチェスター・ニミッツそれぞれの人物像が描かれる。後半ではチャーチルの訪米とマーシャル諸島へのアメリカによる奇襲まで。

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共分散構造分析はじめの一歩 図の意味から学ぶパス解析入門

パス解析・共分散構造分析を難しい数式を使わず図の描き方からはじめる共分散構造分析への最初の一歩を踏み出すための入門書。

共分散構造分析の勉強を始めようと入門書を探していたところAmazonでも最初に出てきたことだしと読んではみたが、パス図の作り方+Amosの使い方。それで全部。肝心の「その分析結果をどう読むか」について触れられておらず、入門以前にこれではどうにも使いようがない。数式が無いことは置いておくとしても、これなら分析事例を1つ出してその数値をどう読むかについて具体的に書いた方が良かっただろう。

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