データ分析とインテリジェンス

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タグ「書籍」 の検索結果

実践 IBM SPSS Modeler~顧客価値を引き上げるアナリティクス

IBM SPSS Modelerは書籍はおろか検索しても日本語の情報がほとんど出てこないため、使っていてわからないことがあっても自力で調べることは難しい。それなりに規模がある企業にいるならば近くに詳しい人がいるだろうが、そうでなければベンダーに問い合わせて数日かかるなんてことはザラで、聞いてもわからず手詰まりということもよくある。

そんな状況が続いている中で、ついにというかようやくというか日本語で読めるIBM SPSS Modelerの入門書が登場したことは大変ありがたい。とはいえ、まったくIBM SPSS Modelerを使ったことがない人にこの本を渡しても使いこなすのはちょっと厳しい。というのも基本操作などの説明もなくはないがわずかなので、あくまでも「IBM SPSS Modelerでデータマイニングを行うための操作マニュアル」という位置付けであると考えておくのが良いだろう。

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バルチック艦隊ヲ捕捉セヨ - 海軍情報部の日露戦争

日露戦争におけるハイライトと言えば陸では奉天会戦、海では日本海海戦だが、その日本海海戦までに日本がどのようにしてバルチック艦隊の居場所や艦隊編成などを掴もうとしたかをテーマ。というわけで派手な戦闘の描写は無く、むしろ地味な調査活動がメインではあるが、日本海海戦での勝利の一旦を確実に担っていたであろう情報活動に焦点が当たるのはめずらしく、また日本のインテリジェンスの成功例というさらに稀有な例を取り上げている。

舞台はバルチック艦隊の出立からヨーロッパ・インド洋・東南アジア・仏領インドシナ・上海と移り変わり、現地に駐在していたり調査に送り込まれた軍人、協力する日本人、雇われた外国人などがあの手この手で情報を集めながらその居場所を追いかけていく。信濃丸によるバルチック艦隊発見までにこれだけの努力があったことや、戦後のポーツマスだけではなくこんなところでも日英同盟の恩恵があったことは知らなかった。

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ゼロから作るDeep Learning Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

ディープラーニングに限らずだが機械学習はなんとなくやっていることの雰囲気は掴んでいるつもりで、理論の詳細は理解できなくても機械学習はアルゴリズムを使ったPDCAであるといったことは書ける。それでもやっぱり気にはなっていたのだが、初心者が気軽に手を出せるレベルでちょうど良い本があまり見当たらなかった(数式を使わないで文章だけで説明しようとする入門書はのぞく)。

この本は理論を例題を使って説明し、さらにはPythonによる実装まで解説してくれるといたれりつくせりで、ニューラルネットワークはもちろんのこと誤差逆伝播法や畳み込みニューラルネットワークについてここまで丁寧でわかりやすい解説は見たことがない。日本人が書いていることもあり非常に読みやすく、ディープラーニングをきちんと学びたい人向けの入門書として長く使われるのではないかと思われる。

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DeNAのサイバーセキュリティ Mobageを守った男の戦いの記録

本書はDeNAでインフラエンジニアでの活動をきっかけにセキュリティの重要性に気づき、現在はセキュリティ部の部長を務める著者がどのようにしてサイバーセキュリティに携わるようになったかの物語であり、また実務で学んだことをまとめた記録である。

理論や概要については書籍が多くあるのでそれで勉強はしたものの、それだけ読んでも現場では何が起きていてどうしなければいけないのかは何も書いていないため、実務上でおきる様々な問題に対応できず仕事ができないというのはよくある話であるが、サイバーセキュリティ・情報セキュリティについても同様。そんな中で本書は実務で経験したことや得られた教訓が書かれてセキュリティ担当者には特に有益だろう。この分野では同様の書籍を見たことがないので、だとすれば当面この書籍がスタンダードになるのかもしれない。

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情報の捨て方-企業情報のための情報

「情報の捨て方」とありがちなタイトルであるが、情報の収集や分析についてまとめられた本。データ分析について日本人が書くと体系的にまとめられることはあまりなく、著者の経験に基づいて書かれたノウハウ本か、学術的な専門書に偏るのは以前から変わっていないらしく、この本は前者に属する。

似たような本が結構あるが、その中でもわりと使えそう。30年以上前(1983年)に出た本の割には今でも通じることが多いのは、あまり進化していないせいだろうか。例えばこの一文。

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シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃

実態のよくわからない「人工知能」に仕事が奪われるなどと無責任に煽ったり、「ビックデータ」のような定義が至極あいまいな言葉で煙に巻いてシステムを売り込むための宣伝文は数多いが、本書はそれらとは大きく違う立場をとっているということは次の1文でわかる。

ではその現象とは何か。著者は「アルゴリズム革命」であるという。すなわち

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最強の社会調査入門

分析も分野がいろいろあるけれども、最近より世の中を広く知ることに興味があり、それならまずは社会学だろうかということで本屋にいったらちょうど出たところだったので読んでみたが、いまいちかったるい。入門ということで学術的な話ではなく、執筆者それぞれの体験談を集めた形。例えてみれば線形代数の入門書を開いてみたら、簡単な計算を延々と詳細に解説していて、全然先に進まない本みたいな感じだろうか。学生や新社会人ならいいかもしれないけれども、いまいち合わなかった。

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「諜報の神様」と呼ばれた男

第二次大戦における日本のインテリジェンスが総じていかに悲惨なものであったかは『[[大本営参謀の情報戦記]]』を一読すればよくわかるが、それでもごくわずかながらインテリジェンスの重要性に気づき、ときには組織に邪見にされながらも活躍する個人がでる。福島安正や明石元次郎は有名であるが、例外の1人が本書で語られる小野寺信である。

ポーランドやエストニアの情報機関員との関係を築き、ヒューミントにより重要な情報を手に入れる活躍ぶりは本書を読んでもらうとして、小野寺信の活動も、日本のインテリジェンスの特徴である

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統計学が最強の学問である[ビジネス編]

第一章は「経営戦略のための統計学」とあるが、ポーターやバーニー、グラントといった経営戦略論の話で、分析といえばそうだけれども統計学の話ではないようだ。最後に重回帰がちらっとでてきてたみたいだけれども数式はなく文章での説明。疲れているからかそういう本なのか、なんかもやっとした感がすごい。

知名度はあるからそれなりには売れるだろう。評判を見てよさそうなら戻ってくるかもしれないけど、今回のところはもういいや。

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インテリジェンス-国家・組織は情報をいかに扱うべきか

インテリジェンスを学ぼうとする際に、あまりに教科書的な本だと読みづらくて挫折してしまうことになるが、このインテリジェンスは事例が豊富に入っており、学術本と実用本の中間やや実用本よりでとっつきやすく、かつ文庫なので手軽に手が出しやすい。より現場の分析官向けには『[[戦略的インテリジェンス]]』があり、『インテリジェンス入門』の次に読む本としてはこの2冊あたりだろう。この本が軽く読めるのならばまずは『インテリジェンスの基礎理論 第2版』、そしてローエンタールの『[[インテリジェンス-機密から政策へ]]』に挑戦してみるのがよいだろう。ただし事例が多いということは最新の事例が書かれていないということでもあり、改定されないようなら5年後に読むのは厳しいかもしれない。

本文の全体の流れとしてはインテリジェンスサイクルを中心に展開し、後半は組織やインテリジェンス関連の話題に移っていく、と一般的なインテリジェンス本の流れと同様。ビジネスに応用を考えるには分析手法や考え方が書いてあるわけではないので弱いけれども、第4章後半のインテリジェンスと政治との関係についての議論は有用で、ビジネスでいえば上司やクライアントとアナリストの関係を考える上でよい参考になる。両者の関係は近すぎても遠すぎてもうまくいかないのだが、ビジネスでは大抵関係が近すぎて政治化したり悪い話が伝えられなくなってしまうという問題がおきる。どの程度の距離が最適なのかは一般的には難しいどころか永遠に解決しない問題だろうが、個人的には相手が受け入れてくれるのであればつかず離れずぐらいがちょうどよい。

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二重スパイ コード・ネーム《ガルボ》

第二次世界大戦中、英国ではドイツのスパイを寝返らせて英国のスパイとさせる二重スパイとし、ドイツに偽情報を送るダブルクロス・システムを作り出した。その中でも最も重要であったと評価されているのが本書の主人公・暗号名「ガルボ」だ。

英国に潜入を試みるもすでにエニグマの解読により事前ばれていて待ち伏せをくらって捕まり、殺されるか二重スパイになるかの選択を迫られた上で二重スパイになることを選んだ他のスパイとは異なり、ガルボの場合は英国のスパイになるためにまず進んでドイツのスパイに名乗り出て、それから英国のスパイになった、という変わり種。

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太平洋戦争裏面史 日米諜報戦

真珠湾、フィリピン・ガダルカナルなど南方の残留諜者、珊瑚海、ミッドウェー海戦、零戦の技術、ダンピール海峡の悲劇、山本五十六暗殺(海軍講事件)、海軍乙事件、台湾沖航空戦と題名に日米諜報戦とはあるけれども真珠湾を除けばあとは一方的に日本が情報で失敗し、やられる話。

暗号が解読されているにも関わらずその事実に思いもよらない、解読されているのではないかと指摘されても気が付かない、重要な情報を取られても問題にならない、あげく戦果を大きく見積もりすぎて判断を間違える・・・と、どうしてこんなにダメなのかというくらい失敗が続く。

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立地の科学

水道橋、神田、中野、池袋、それと架空のいくつかの状況を例として、人がどこをどのように通るか動きを追いながらなぜその店が流行るかを立地を中心にして分析する。特に実在する場所については土地勘があるとすんなり頭に入り易いので近くの人は実際に現地に行ってみるのがよいだろう。

売上要因分析の紹介は使えそう。これもそのまま鵜呑みにするのではなく、自社に合わせて取捨選択あるいは別の指標を追加してカスタマイズする必要はあるにしても、十分参考にはできる。内容は次の通り。

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サイバー戦争論

情報セキュリティとかサイバーセキュリティもインテリジェンスの分野なのでたまに読むことにしてはいるが、この本はもっと広い範囲であるサイバー戦や技術について扱っていて、諜報の話は『[[サイバー・インテリジェンス]]』にまとめられているとのこと。

概略というか総論というか、教科書的な書き方であまり面白みがない。サブタイトルにもあるようにナショナルセキュリティがテーマだからビジネスの話でもない。読む本間違えたかも。

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統計的学習理論

最初からさっぱり理解できず。機械学習の初心者にはどうもハードルが高すぎるみたいだけど、レベルの差が激しいこのシリーズの中でもトップクラスでは。

アペンディクスにルベーグの収束定理とかが入っててびっくり。これ知らないと読めなかったりするのだろうか。機械学習の人ってエンジニアとか物理とか「数学を道具として使う」ことに慣れている人が多い気がするけれども、測度論とかルベーグ積分もやっているのだろうか?

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人工知能が金融を支配する日

1ページ目の「近年急速に発展している人工知能の技術は機械が自分自身で学習するというものです。」にずっこける。それが実現できていたら金融どころの騒ぎではない気が。

もしかしたら違う意味で言っていたり読み間違えているのかもしれないけれども読む気がうせたので今後評判がよさそうならまた改めよう。

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データサイエンティストが創る未来 これからの医療・農業・産業・経営・マーケティング

ビックデータの活用事例もありますが、どちらかというと人に焦点を当てています。特に中心になるのはIBM→Facebookでデータ分析チームを立ち上げ→クラウデラに参加→医療業界へ転身したデータサイエンティストであるハマーバッカーですが、日本では選択肢もなければ流動性も低いので参考にはもちろんなりません。

全体的に雑多な印象ですが、数年前のアメリカのデータ分析事情を垣間見るのにはいいかもしれません。変化の激しいデータ分析業界ですので現在はもっと先へ進んでいるのでしょう。表に出てくるのはごく一部でありすそ野は遥かに広いでしょうから、その差がどれだけ広がってしまっているか想像もつきません。

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イスラエル秘密外交・モサドを率いた男の告白

イスラエルの情報機関モサドの元長官による回顧録。スパイとかではなく90年代から2000年代のイスラエル外交史が中心。情報機関も幹部になると政治家や外交官になるようだが、データ分析の専門家のキャリアとして経営幹部というのはありなのだろうか?

『[[モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」]]』の文庫版で違いは序文があるかないか。タイトルを「外交」に変更したのはよかったと思う。スパイ物が読みたければ『[[モサド・ファイル]]』の方が良い。

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ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かすビッグデータの残酷な現実

書評・感想といいつつ全然本の内容の紹介になっていませんが、一番印象に残ったのがこれだったのであえて書くことにしました。「データサイエンティスト」「ビックデータ」「ハーバード」と見事にどこかでよく見かけるキーワードがちりばめられた題名ですが、それゆえ題名からだと何の本なのかがよくわかりません。もちろん帯や目次をみればいくらか様子はわかるとはいえ、あまりこの分野を読みなれていない人は注意した方がよいでしょう。

中身は主に男女関係についてネットのデータからその行動を分析する話が中心です。著者はOKキューピットという出会いサイトの創業者の1人なので当然と言えば当然で、この手の話題に興味がある人、雑学好きな人には読み物として良いかもしれませんが、いずれでもなければ読んでも退屈ではないでしょうか(これを書いている当人も中間はほとんど飛ばしています)。

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ITエンジニアとして生き残るための「対人力」の高め方

コミュニケーションと言うと嘘でたらめ混ぜ込んでクライアントに買わせるとか、自分の評価を上げるために上司にごますりするとか、飲み会を盛り上げるための馬鹿話のことかと思っている人もいるようですが、そういうどうでもいい(?)話はともかくとしても、誰かと一緒に仕事を行う以上は最低限のコミュニケーションは必要です。

そんなコミュニケーション(タイトルは対人力ですがコニュミケーションの方が一般的だと思いますのでこちらに統一します)をテーマにした本書は「ITエンジニア」とタイトルにはありますが、仕事のための基本的なコミュニケーションスキルなので誰にでも当てはまります。分析に関わる人なら「データサイエンティスト」「データアナリスト」「リサーチャー」などなど自分の肩書に合わせて読むと良いでしょう。

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データ・アナリティクス実践講座

「データ・アナリティクス実践講座」とはありますが、アナリストのためではなくアナリティクス「プロジェクト」を動かすコンサルタントやマネージャー向けの書籍です。書いているのがアクセンチュアなのでそういう視点になるのは当然かもしれませんが、題名はちょっとミスリード気味になっている感は否めません。

前半では簡単な統計知識、課題の定義と仮説立案、収集・加工、システムとデータ分析に関連する広い話題を扱っているのが特徴で、日本の書籍で全体像に触れている書籍は非常に少ないのでとても貴重です。一方でそのプロジェクトを成功させるための最も重要な要因である「経営者・マネージャーなど意思決定者の責任」に触れられていませんが、その方が仕事は取れるので仕方がないのでしょうか。

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事例+演習で学ぶ機械学習 ビジネスを支えるデータ活用のしくみ

識別、予測、決定木、テキストマイニング、付録ではRとよく見かける話から推薦システム、ソーシャルネットワーク、検索連動型広告とわりと珍しい話まで幅広く触れられています。特徴としては他の書籍と比べて演習問題が少ないながらも掲載されており、一般論だけでなく具体的な計算過程が見えるのはとても良いと思います。機械学習の書籍は計算の具体例が余りなくどのような計算をしているのかさっぱりわからないことが多い中ではわりとめずらしいのでは。

例えばSVMで6つの学習データを元にラグランジュの未定乗数法を使って識別境界とサポートベクトルを求めていたり、決定木では情報利得とエントロピーについて計算していたりします。

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分析力を武器とする企業

2008年発売の本書はビックデータが話題になる前に分析力に注目しており、なぜデータ分析が競争力になるかをはじめに、組織・文化・人材にまで触れられているデータ分析ではもはや古典にして基本書、と言っても過言ではないぐらいです。発売直後に手に入れてそれから何度も読んでいますが、今回改めて読み返してみてもまだまだ読み込めていないと感じます。本書を読んでいないデータ分析者はもぐりである、ぐらい言ってもいいかもしれません。

分析手法や処理方法が書かれているわけではないで実務にすぐ使えるという本ではありませんが、どういった形であれ分析に携わるならば押さえておきたい1冊でしょう。なお、2016年も半ばになろうとしている本記事執筆中において、このレベルにたどり着いた日本の書籍はありません。たどり着くどころか比較にもならないというのが残念ながら実情です。それを端的に示す一文をご紹介しましょう。

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データサイエンティストの舞台裏

「舞台裏」というからには見えない部分で何をしているか、どういった分析なのかが紹介されているとかと思って読むとだいぶ様子が違いますのでご注意ください。数式や分析手法についてはほとんど触れられていません。

それもそのはず、元は日経情報ストラテジーに掲載されている記事なので読者は分析者ではなく、しかも経営層よりなのでそもそも対象が違うのですが、それでもデータ分析を活用する文化や組織の話題なのかというとそうでもなく最後の方に少し出ているぐらい。「データ分析事例集」の方が妥当ではないでしょうか。

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私を通り過ぎたスパイたち

戦後、まさに第一線の「スパイ・キャッチャー」であった著者の回想と、次の時代への提案です。「スパイ・キャッチャー」とは文字通りスパイを捕まえる側ですが、現場の個人のがんばりにだけ頼って国や組織的なバックアップが少ない無いなかでの苦闘が書かれます。さて、「スパイ」と言えば怪しいとかうさんくさいとか思った人も多いでしょうが、著者はこんなことを書いています。

今でもこの状況はあまり変わっていないのではないでしょうか。それとも、このような時代を生きてきた人から見たら、いくらかは改善しているのでしょうか。回想はゾルゲ事件、ラストロボス事件、コズロフ事件(宮永スパイ事件)と、1930年生まれの著者の主に現役時代の話なので大分話は古いのですが、スパイを捕まえても本人が驚くくらい軽い刑にしかならないという状況は今でもほとんど同じな気がします。

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SQL実践入門 高速でわかりやすいクエリの書き方

SQLについて(SQL限らず全般的にそうですが)は入門書はたくさん出ていても、その次の段階に進もうとすると途端に選択肢が狭まってしまうために困っている人は多いと思いますが、そんな人にちょうど良い書籍です。本書のポイントは、case文ウィンドウ関数で、いずれも入門書だと書いてはあってもさほど詳しく触れられないのですが、うまく使えば良い道具となりえます。

第1・2章は前置きで第3章からが本番ですが、まず読むならば第3章から第5章と、第7章から第8章の前半あたりでしょうか。このあたりが自在に使いこなせたら、初心者の上位から中級者の下位あたりまで上がるのかな、というのが自分の感覚なのですが、プロレベルの人から見たらどうなんでしょう?

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マーケティングインテリジェンス―リサーチから情報管理システム確立へ

以前『CIA流戦略情報読本 リアル=ワールド・インテリジェンスの世界』の中でも名前だけ出してみましたが、こちらも隠れた良書。しかもビジネスにおけるデータ分析をより広く、かつ具体的に書いているので経営者・マネージャーはもちろん現場の分析官(特に戦略情報担当)にも読んで欲しい一冊です。

この本は原書が1968年、日本語訳がその翌年の1969年(昭和44年)というから、50年近く前に出ているのですが、そんな時期にビジネスにおけるインテリジェンスについての包括的な記述のある本が出ているという事実にまず驚きます。目次をざっと紹介すると、

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CIA流戦略情報読本 リアル=ワールド・インテリジェンスの世界

「CIA流なんとか」というタイトルから、定期的に出版される少々うさんくさい書籍を想像してこの本も避けてしまうとしたら、それはとてつもない損失です。原書は『REAL・WORLD INTELLIGENCE』で著者も元CIA所属ということで興味を引くために邦訳の時にくっつけたのでしょうが、逆効果になっている気もします。

さて、本文は至って真面目な「ビジネスにおける戦略情報」について書かれている本です。150ページに満たないのですが、「インテリジェンスとは何か」から始まり、データ分析のプロセス(あるいはインテリジェンスサイクルと明記はされていませんが、内容は明らかにそうです)、組織と意思決定についてと、ビジネスにおけるデータ分析の活用について俯瞰されています。文章も学術的な固さはなく非常に読みやすいので手元においておき、都度目を通すのがよいでしょう。特に経営者・マネージャーはちまたでよく見かける「データ分析本」を10冊読むならばこの本をとにかく1度読んでみることをお勧めします。

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10年戦えるデータ分析入門

先行発売していたので早速購入。まず最初に言っておくと、この本は分析の本ではない。なのでデータ分析入門という言葉につられて読んでも、特にマーケターなどプログラムなんてさっぱりという人には厳しいだろう。では何の本かと言えば、「データ分析のためのSQLの入門書」である。

SQLの入門書というと、主に存在するのは分析のためではなくDBエンジニアなどのための本なので、例として挙げられるのも社員マスタとかだったりすることが多いが、この本ではECサイトの注文履歴やアクセスログがサンプルになっているので、これからSQLを学ぼうとしているデータ分析経験者には役に立つのではないだろうか。一方で内容自体はselect、集計関数、JOINなど基本的なこと+αぐらいで、特に目新しい内容があるわけではなくあくまでも入門書なので、ある程度実務でSQLを使っている人には物足りないであろう。昨年出た『[[データ集計・分析のためのSQL入門]]』よりもさらにSQLの解説が詳しくなっているぐらいの位置づけだ。

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ビッグデータ・ベースボール

20シーズン連続負け越しのピッツバーグ・パイレーツが、データ分析によりそれまでの野球の常識を覆したまったく新しい視点から再評価したことで落ちぶれていた選手たちをよみがえらせ、ついにポストシーズン進出を果たす。というのが大筋で、いわば『[[マネー・ボール]]』の再来である。テクノロジーや手法は進化しても本質に変わりはない。

マネー・ボールといえばちょっと前に映画にもなり、書籍も結構売れたようで話題になっていたが、本書は同様の流れをんだ「ベースボールにおけるデータ分析」に関する書籍。マネー・ボールが主人公であるオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンを中心に描いていたが、本書はGMだけではなく監督、コーチ、プレイヤー、そして分析者ともっと多様な視点から描かれている。

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レーニン対イギリス秘密情報部

ロシア革命からの数年間、ペトログラード、モスクワ、タシケントで繰り広げられるカミングのイギリス情報部対ジェルジンスキーのチェーカーの戦いを描く。潜入、変装、偽名、成りすまし、隠れ家、秘密道具、盗聴、砂漠や機雷原を超えてのロシアからの脱出、プロパガンダ、謀略と盛りだくさん。これが小説だというならまだしも、ノンフィクションというのだから驚く。

掴まれば処刑されるかもしれないのにロシアに再入国する人、西トルキスタンで何が起きているのかを調べるために遠く遠征する人などまさに命を懸けた情報戦である。この情報に対する意識の違いはいったいどこからくるのだろう。まぁ、情報のためというよりは冒険を求めているだけな気もするが。

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ジョーカー・ゲーム

あまり小説は読まないのだが、少し前に映画になったり今年の春にはアニメになったりと何かと名前を見かけるので読んでみることに。まぁなんというか、エンタメ以上でも以下でもなく、特にこれといった感想が思いつかない。ノンフィクションの迫力には勝てないし、局地的な小競り合いで終わってしまっているのでフォーティテュード作戦とか、日本版キム・フィルビーとか小説なのだからいっそもっと派手にしてもよかったのにと不完全燃焼。シリーズがいくつか出ているようだが、続きは保留。

中身はいろいろごった煮だ。D機関のモチーフは陸軍中野学校なのはすぐわかる(本部の場所とか、陸軍中野学校の1期生も20人いない程度と規模もほぼ同じ)として、選抜試験で建物に入ってから試験会場までの階段の数を質問されるのは『[[大本営参謀の情報戦記]]』で陸軍大学校入試の話として出てくるし、ロンドンの写真館を装っているのは石光真清、シュナイダーはゾルゲでXX(ダブル・クロス)はそのまま第二次大戦中にナチス・ドイツのスパイを捉えて二重スパイにしていたXX(ダブル・クロス)委員会の名称そのままだったり、他の元ネタもどこからか出てくるかもしれない。

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CIAの秘密戦争

本書は、パキスタンでの活動を中心とした9/11後のCIA史である。暗殺の復活、ペンタゴンとの主導権争い、本来の役割であるインテリジェンス収集、分析よりも暗殺をはじめとした秘密活動に力を入れるCIAと外注される戦争に群がる人々、ドローンで暗殺されるアルカイダの幹部や、誤爆に巻き込まれる多くの一般市民・・・戦後南米などで行われていた政権転覆などの謀略事件を思い出させるのは結局のところCIA(というかアメリカ人)の性癖なのだろうか。読んでいてずっと思っていたのは「いったいこいつら何をしているのだろうか?」であった。

「CIAがこれほどOSSに似たことはなかった」とCIA長官だったマイケル・ヘイデンが語っている。OSSと言えば欧州でのサボタージュやら心理作戦やら情報機関というより英国のSOEのようなことをやっていたイメージ(両方とも日本語で読める書籍がないのであちこちで聞きかじった話による)なのだが、あながち間違っていないのかもしれない。

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