データ分析とインテリジェンス

インテリジェンス入門

■書評・感想・・・日本語で読める最良のインテリジェンス入門書

もともと日本語で読めるインテリジェンスの書籍は少ないのだが、「はじめに」にもあるようにその少ない書籍もスパイとか盗聴とかそういった話題が多い。そんな中、2003年に発売されたこの書籍は日本人がインテリジェンスの全体像を描いた入門書としてはおそらく最初の書籍で、現在でも最良の入門書であろう。インテリジェンスについて学びたいと思うのであれば(洋書はわからないが)まず手に取るのをおすすめできる一冊である。

インテリジェンスとは何かから始まってインテリジェンスサイクルや実務における運用の問題と戦略インテリジェンス論に近い構成であるが、こちらの方が内容が平易でありかつ日本人が書いていることもあり、数段読みやすい。さらにはビジネスにおけるコンペティティブ・インテリジェンスにも触れられており、国家戦略レベルのとっつきにくい話だけに終わらない点もよい。

著者は外交官で、現在はエディンバラ総領事とのこと(出展:wikipedia)。2000年代にインテリジェンスに関する書籍を何冊か発表していたのだが最近見かけない。冷戦時代のソ連による日本でのスパイ活動とか需要ありそうだけど。

■目次

第1部 インテリジェンスとは何か

  • 1.インテリジェンスの定義
  • 2.インテリジェンス・サイクルとは何か
  • 3.定義とサイクルから導かれるもの

第2部 インテリジェンスの創造と管理

  • 1.インテリジェンス体制の構築
  • 2.リクワイアメントの伝達
  • 3.カスタマーと情報サイドの関係
  • 4.インフォメーションの収集
  • 5.インフォメーションの分析
  • 6.インテリジェンスの事後評価
  • 7.インテリジェンスの管理
  • 8.人材の育成

第3部 インテリジェンスの活用

  • 1.国家安全保障とインテリジェンス・コミュニティー
  • 2.ビジネスとインテリジェンス

第4部 インテリジェンスの新しい流れ

  • 1.新しいインテリジェンス・サイクルの構築
  • 2.新しいインテリジェンス・コミュニティーの構築
  • 3.ネットワークの導入

■概要

題名インテリジェンス入門
著者北岡 元
出版社慶応義塾大学出版社
発売2003/04

ナレッジからインテリジェンスへ・・・。米国情報機関で培われた理論と手法が、いまビジネスの世界に流入している!競合社会では、自らの「利益を自覚」した者のみが、「インテリジェンス・サイクル」を回転させ、「利益を実現」することができる。本書は、情報化社会に必須となる「インテリジェンス」の基礎的な概念と理論を紹介し、安全保障とビジネス双方の現場における実践方法を提示する。外交・安全保障関係者はもちろん、企業の情報戦略担当者にも是非読んでいただきたい入門テキスト(出版社HPより)。

■関連リンク

  • 『インテリジェンスの歴史』・・・同じ著者によるインテリジェンス関連書籍第二弾。こちらも読みやすい。
  • 『ビジネス・インテリジェンスー未来を予想するシナリオ分析の技法』・・・こちらも同じ著者によるが、コンペティティブ・インテリジェンスをテーマにしている。
  • 『インテリジェンスの基礎理論 第2版』・・・『インテリジェンス 機密から政策へ』のダイジェスト版のような本。
  • 『戦略的インテリジェンス入門』・・・2016年に発売されたこちらは元自衛官の著書。インテリジェンス入門より広く詳細であり、実務者向けということで解り易いのでこちらもおすすめ。

このエントリーをはてなブックマークに追加

タグ:書籍 おすすめ書籍 インテリジェンス


最新の書籍5件

実践 IBM SPSS Modeler~顧客価値を引き上げるアナリティクス
バルチック艦隊ヲ捕捉セヨ - 海軍情報部の日露戦争
ゼロから作るDeep Learning Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
敗北の理由 日本軍エリートはなぜ迷走したのか
DeNAのサイバーセキュリティ Mobageを守った男の戦いの記録

ブログトップ > インテリジェンス入門