データ分析とインテリジェンス

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レーニン対イギリス秘密情報部

■書評・感想・・・いったいどこまでが本当なのか疑いたくなるノンフィクション

ロシア革命からの数年間、ペトログラード、モスクワ、タシケントで繰り広げられるカミングのイギリス情報部対ジェルジンスキーのチェーカーの戦いを描く。潜入、変装、偽名、成りすまし、隠れ家、秘密道具、盗聴、砂漠や機雷原を超えてのロシアからの脱出、プロパガンダ、謀略と盛りだくさん。これが小説だというならまだしも、ノンフィクションというのだから驚く。

掴まれば処刑されるかもしれないのにロシアに再入国する人、西トルキスタンで何が起きているのかを調べるために遠く遠征する人などまさに命を懸けた情報戦である。この情報に対する意識の違いはいったいどこからくるのだろう。まぁ、情報のためというよりは冒険を求めているだけな気もするが。

主役はもちろん現場のスパイなのだが、そのスパイの後ろにはしっかりした国のバックアップがあるということが良くわかるし、だからこそ1909年の設立からわずかに10年ばかりでこれだけの組織を作り、人を集められたのだろう。陸軍中野学校を始めとして、日本のインテリジェンスの話には現場はいても後ろ盾がなく孤立するのとは大違いだ。

スパイ物が好きならば読んでいて十分に楽しめると思うのだが、いかんせん4,000円近くするために少々人はおすすめしづらい。はっきりって日本ではインテリジェンスがマイナーな分野なのでそれは仕方がないこととはいえ、それで良書が目立つことなく埋まってしまうのはおしい。

■目次

第1部 ロシア革命

  • 第1章 ラスプーチン殺害
  • 第2章 マンスフィールド・カミング
  • 第3章 サマセット・モーム

第2部 一流のスパイたち

  • 第4章 敵を知れ
  • 第5章 シドニー・ライリー
  • 第6章 ジョージ・ヒル
  • 第7章 フレデリック・ベイリー
  • 第8章 ロシア転覆計画
  • 第9章 ダシケントの革命政府
  • 第10章 ロシア追放
  • 第11章 命がけのゲーム
  • 第12章 ただならぬ脅威

第3部 大団円

  • 第13章 ポール・デュークス
  • 第14章 白軍敗走
  • 第15章 オーガスタス・エイガー
  • 第16章 ウィルフリッド・マルソン
  • 第17章 神の軍隊
  • 第18章 ひとり勝ち
  • 第19章 後日談

■概要

題名レーニン対イギリス秘密情報部
著者ジャイルズ・ミルトン
訳者築地誠子
出版社原書房
発売2016/02

《出版社サイトより》ロシア革命前夜の1916年から革命後の1921年まで、インドにも革命を起こそうとするロシアと、これを防ごうと決死の諜報活動をするイギリス秘密情報部との息詰まる戦いの記録。
あらゆる人間の思惑を濃密に描いたロシア革命裏面史!

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タグ:書籍 スパイ インテリジェンス MI6 SIS チェーカー

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