データ分析とインテリジェンス

文系でもわかる人工知能ビジネス

■書評・感想 かくして文系が稼ぎ、理系は使われる

とりあえず1章ダイジェストはこんな感じ

10分ぐらいで読むをやめたのだが、ともかくも第1章のダイジェストはこうである。物語仕立てにはなっているが必要な部分だけ抜き出す。

  • ・アプリのボタンをタップすると車が倉庫から自動的に出てくる
  • ・「会社に連れて行ってくれ」と声を出すと「本日は事故がないので8時半に着く予定です」とナビシステムから応答がある
  • ・さらに本日のスケジュールもナビシステムが教えてくれる
  • ・高速道路や駐車場で自動的に走行してくれる「準自動運転車」が2019年に発売された

と開始4ページでこんな調子である。ついでにいうと、

  • ・8歳の息子が図工の時間に3Dプリンターでマグカップを作った
  • ・前日にスマートフォンで頼んでおくと200キロ離れた町にあるマンションからドローンが洋服を運んでくる

などというのもある。これらはいつか実現するだろうし、一部は近いうちに身近になるだろう。しかし、2020年に全てが整っていると言われたらいくらなんでもそんなことはありえない。

あまりに現実離れしてない?

1つの商品が世の中に出て浸透するまでには

  • ・技術的ハードルを越える
  • ・商品開発すして実際に発売する
  • ・価格がそれなりに抑えられる
  • ・社会的なインフラが整う
  • ・法律の問題をクリアする

とざっくり考えてもすぐにこれだけ出てくるわけだが、”準”がついているとはいえ自動運転車がここまで一気に普及するというのはどう考えても無理であろう。携帯電話という前例はあるにしても、それは価格もそれほど高くなく、なによりコミュニケーションという身近なことに対する道具だからであり、そのまま自動車に適用するのは無理があるのではないか。この書籍を読んでバラ色の未来を想像して参入を考えたりする人がいたら確実に失敗するだろう。

これを真に受ける人がいる限り、技術なんていらない

10分というのはここまで5分で読んであと5分は後ろをパラパラ見た時間なのだが、どうも同じようなノリで人口知能ビジネスと題名にはあるけれどいったい何を読んでいるのかわからなくなる。しかしこれを真に受ける人がたくさんいて、そういう人達を相手にして稼ぐことができたりしたら苦労して技術を磨く必要なんてなくなってしまうのでないか。それが現実とはいえ、やるせない気分になる。

■目次

  • 1章 自動車メーカー営業マン
  • 2章 建設会社社長
  • 3章 精密板金工場長
  • 4章 自動車メーカー工場長
  • 5章 農家
  • 6章 トラック運転手
  • 7章 米国空軍のスペシャリスト
  • 8章 書店経営者
  • 9章 警察官
  • 10章 消防士
  • 11章 電機メーカーマーケティング部門の担当者
  • 12章 弁護士
  • 13章 ワーキングマザー
  • 14章 田舎に住むお年寄り
  • 15章 肥満に悩むエンジニア
  • 16章 一人暮らしのおばあさん
  • 17章 買い物好きなアパレルメーカー社員
  • 18章 投資銀行に勤める独身女性
  • 19章 頭脳明晰な小学生
  • 20章 米国の大学院に通う留学生
  • 21章 シングルマザー

■概要

題名文系でもわかる 人工知能ビジネス
著者EYアドバイザリー株式会社
出版社日経BP
発売2016/02

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タグ:書籍 人工知能


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