データ分析とインテリジェンス

10年戦えるデータ分析入門

■書評・感想・・・「データ分析」の本ではなく、「データ分析のためのSQL」の本。初心者向け。

先行発売していたので早速購入。まず最初に言っておくと、この本は分析の本ではない。なのでデータ分析入門という言葉につられて読んでも、特にマーケターなどプログラムなんてさっぱりという人には厳しいだろう。では何の本かと言えば、「データ分析のためのSQLの入門書」である。

SQLの入門書というと、主に存在するのは分析のためではなくDBエンジニアなどのための本なので、例として挙げられるのも社員マスタとかだったりすることが多いが、この本ではECサイトの注文履歴やアクセスログがサンプルになっているので、これからSQLを学ぼうとしているデータ分析経験者には役に立つのではないだろうか。一方で内容自体はselect、集計関数、JOINなど基本的なこと+αぐらいで、特に目新しい内容があるわけではなくあくまでも入門書なので、ある程度実務でSQLを使っている人には物足りないであろう。昨年出た『データ集計・分析のためのSQL入門』よりもさらにSQLの解説が詳しくなっているぐらいの位置づけだ。

なのでもちろん基礎として身に着けておくべき内容であり、エンジニアとしてはともかく分析者であれば実務のうち結構な部分はカバーできる。とはいえこれだけで10年戦えるかといわれると少々厳しいので、もう少し上のレベルにたどり着ければできることの幅が広がるだろう。

タイトルを「データ分析入門」としてSQLは副題に書いてあるだけにしたのはマーケティングを考えての事なのか、『データ集計・分析のためのSQL入門』とかぶってしまうのを避けたからなのかわからないが、内容との乖離が激しいので正直なところこれはあまり良い選択ではないと感じる。分析の事を知らない書店員が勘違いしてマーケティング関連の本棚においてもむしろ売れなくなってしまうのでは・・・というのはまぁ余計なお世話か。

■関連書籍

『SQL実践入門 高速でわかりやすいクエリの書き方』・・・SQLは入門書はたくさん出ているのであるが、次のレベルを目指そうとすると途端に選択肢が少なくなって困る。昨年ほぼ同時期に出ているこの書籍は、そんな時にちょうど良い。

■目次

第1部 SQLによるデータ分析

  • 第1章 10年戦えるデータ分析の技術
  • 第2章 さわってみようRDBMS
  • 第3章 簡単!select文でデータ探索
  • 第4章 すべての分析は集計から始まる
  • 第5章 関数で自由自在に新しいカラムを作り出す
  • 第6章 ジョインを制するものはRDBMSを制す――基礎編
  • 第7章 ジョインを制するものはRDBMSを制す――応用編
  • 第8章 遅れて来た分析SQL最強の武器――ウィンドウ関数
  • 第9章 縦と横は難しい
  • 第10章 アクセスログのセッション分析をする

第2部 分析システムの構築

  • 第11章 10年戦えるデータ分析システム
  • 第12章 ビッグデータに立ち向かう
  • 第13章 SQLバッチの技法
  • 第14章 本書を読み終えた後に

■概要

題名10年戦えるデータ分析入門 
著者青木峰郎
出版社SBクリエイティブ
発売2015/06

《出版社サイトより》 本書ではSQLを使った分析の手法、そしてそのためのシステムの構築についてお話しします。なぜならば、SQLは企業において現実的に実現可能な中で最も制約の少ない分析手法だからです。現実的にギリギリ可能な範囲で、でもできるだけ楽をしたい。本書はそんな現実的で、しかしよくばりな要望に対して、SQLという解で答えます。
ビジネスに役立つ分析を行いたいマーケターも、ビッグデータをどうにかしたいエンジニアも、みんなまとめて面倒みましょう。

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タグ:書籍 SQL


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