データ分析とインテリジェンス

ITエンジニアとして生き残るための「対人力」の高め方

■書評・感想・・・馬鹿にはできない「コミュニケーション能力」。ただし全て実践すると「都合の良い人」で終わる可能性大なので要注意

コミュニケーションと言うと嘘でたらめ混ぜ込んでクライアントに買わせるとか、自分の評価を上げるために上司にごますりするとか、飲み会を盛り上げるための馬鹿話のことかと思っている人もいるようですが、そういうどうでもいい(?)話はともかくとしても、誰かと一緒に仕事を行う以上は最低限のコミュニケーションは必要です。

そんなコミュニケーション(タイトルは対人力ですがコニュミケーションの方が一般的だと思いますのでこちらに統一します)をテーマにした本書は「ITエンジニア」とタイトルにはありますが、仕事のための基本的なコミュニケーションスキルなので誰にでも当てはまります。分析に関わる人なら「データサイエンティスト」「データアナリスト」「リサーチャー」などなど自分の肩書に合わせて読むと良いでしょう。

内容は社外編・社内編各15、合計30のテーマについて「NGなやりとり」「解説」「OKなやりとり」とまとめられており、それぞれ独立しているので興味のあるテーマから読み進むことができます。NGではついやってしまいがちなことから無意識にやっているだろうことまでありますので、自分の言動を思い出しながら何が良くないのかをチェックするのがよいでしょう。特に、

  • ・自分がやりたいことではなく相手のニーズを考える
  • ・相手の知識を無視して専門用語を多用しない
  • ・話しかけやすい人になる

あたりが要注意でしょうか。最後のは愛想は無くても良いでしょうが、いつも不機嫌そうで話しかけずらいのは問題でしょう。共通するのは、いかに相手の立場になって考えるか、ということではないかと思います。とはいえ相手の言いなりになるということではないので、言うべきことは言うことも必要であり、それもまたコミュニケーションです。

一方で、これはちょっと違うのでは?と感じるテーマもあります。何事も極端になればおかしくなるわけですので、どちらがいい悪いというのは難しいとはいえ

  • ・契約時間外に対応することを「誠実」という
  • ・トラブル対応をしたら「作業中だったのに」などと後で言われたのをコミュニケーション不足とされる
  • ・普段から相談しやすくなるような関係を作っておく

あたりまでエンジニアの責任にするのはさすがにちょっと卑屈すぎやしないかと感じます。とはいえ誰かがやってくれるわけでもないので自己防衛のためには自分でなんとかするのが現実的ではあるのですが、常に自分が悪いと考えるのもまた違うでしょう。(本書に限りませんが)書籍にあるからと鵜呑みにすることなく自ら取捨選択していく姿勢は大事かと思います。

大抵の場合においてどちらか一方が全面的に悪いということは少ないものですが、そんな中で専門家やエンジニアはコミュニケーションが苦手であることで損をしていることは多いでしょう。ほんのちょっとで良いので歩み寄ってみることを試してみてはいかがでしょうか。やってみてだめなら、それをカバーできる圧倒的な専門知識と実務能力でカバーすればいいのですから。

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タグ:書籍 仕事 コミュニケーション


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